昨季クラブワーストの13位に終わったJ2東京Vが、チェルシーのモウリーニョ監督も実践するチーム強化理論で復活を図る。15日、東京・稲城市の練習グラウンドで始動。ポルトガルのポルト大大学院在学中という異色の経歴を持ち、主にコンディショニングを担当する安田好隆コーチ(29)の加入が発表された。

 メキシコやポルトガルでユース年代の指導を行ってきた安田コーチがポルト大で学んだのが「戦術的ピリオダイゼーション」。同大フラーデ教授が80年代初期に提唱し、モウリーニョ監督が導入。2度の欧州CL制覇など抜群の成果を挙げ有名になった理論だ。

 同理論ではまず自分たちの理想のサッカーを定義。その実践に向け、4大要素(テクニック、フィジカル、戦術、メンタル)を同時に、サッカーのプレーの中で鍛えていく。例えば、ただ走るだけの練習はない。

 知人の紹介で直接電話をかけて入団要請した三浦泰年監督(48)は「彼が学んだ知識を共有しながら自分のコンセプトに生かせれば」。昨季はDF陣にケガ人が続出して失速したが、もう同じ轍(てつ)は踏まない。【千葉修宏】