<ナビスコ杯:浦和2-1大宮>◇1次リーグ◇2日◇埼玉

 浦和は大宮とのさいたまダービーを制し、初勝利を挙げた。新加入のFW李忠成(28)、同様に浦和での公式戦初出場となったMF青木拓矢(24)の新戦力2人が初ゴールを挙げ快勝した。大宮も新加入MF橋本晃司(27)が初ゴールを決めるもシュート5本と封じられた。

 高揚、緊張、歓喜、そしてブーイング。ホーム埼玉スタジアムに浦和サポーターが戻ってきた。ピッチ上では浦和イレブンが声援を背に気迫あふれる動きを見せた。相手がクリアしたボールは自然と浦和選手のもとへ吸い寄せられた。声と手拍子の波に乗るように、ピッチ上の選手たちは気持ちよさそうに乗った。

 その声に乗って、新加入の2人が結果を出した。前半16分にまずはFW李がMF関口訓からの落としを冷静に左足で押し込み、移籍後初ゴール。国内でのゴールはレンタルで東京に所属していた昨年5月25日、J1第13節鹿島戦以来、約10カ月ぶりのゴールに試合後は「ちょうどコンディションも上がってきた時期。GKの動きも見えた」。初めてゴール裏からは「ただなり」コールが起き「FWは結果を出してこそ。本当にうれしい」と自然と笑みがもれた。

 残り3分で決勝ゴールを流し込んだのは大宮から加入し、浦和での公式戦初出場となったMF青木だ。後半33分に登場すると大宮サポーターからは大ブーイング。ボールを触るだけで罵声が飛んだ。だがそれを打ち消したのは埼スタに戻ってきた浦和の声だった。李からのスルーパスに反応し勝手を知る大宮GK北野の股下を抜いた。駆けだしたのは赤く染まったゴール裏だった。「ブーイングはなかったらさびしいので良かった。でもやっぱり浦和の声援はすごい」と振り返った。

 この日の来場は2万697人。平日ということでやや物足りないが、浦和がサポーターとともに、次の1歩を踏み出したことは確かだ。【高橋悟史】