<J2:磐田2-0千葉>◇第10節◇29日◇ヤマハ

 磐田は千葉を下し、2試合連続完封勝ちで2位に浮上した。前半は押し込まれるも、後半5分にFWポポ(35)のゴールで先制し、同33分には前節東京V戦でPKを外したFW前田遼一(32)が、DF駒野友一(32)のFKを頭で合わせ追加点。汚名返上弾でチームを勝利に導いた。この勝利で「5試合勝ち点10」のミニ目標も達成。次節は3位長崎とホームで対戦する。

 前田が雄たけびを上げた。後半33分、1-0の緊迫した展開の中、好位置でのFKを駒野が前田を狙って蹴った。駒野も「どんぴしゃりでした」と振り返るほど前田の頭に合いゴール。貴重な追加点を決めた。

 前節は自ら志願してPKキッカーを務めるも、コースを読まれてブロックされた。前田は「PKを外してチームに迷惑をかけてキツイ試合になってしまったので、決められてよかった」と苦笑い。前田のスペースを空けるため、DF桜内渚(24)藤田義明(31)が相手守備を引きつけており「フリーになっていたので、みんなのおかげ。(駒野の)ボールが本当に良かった」と笑みがこぼれた。

 前半は中盤でボールを奪われ押され気味だった。シャムスカ監督はハーフタイムで4-2-3-1から4-1-4-1へのシステム変更を指示。MF小林祐希(22)が1列前に出てセカンドボールを拾ってペースを取り戻し、指揮官の采配も的中した。前田はこれで10試合で6得点と量産。親友のMF松井大輔(32)は「うまく試合の中で修正できた。遼一が決めると僕もうれしいし、チームのムードも違う」と祝福した。

 前田は2月のキャンプで体調不良で離脱しスタートで出遅れたが、シャムスカ監督(48)は「試合を重ねるごとに本調子に戻り、今は(昨年の)W杯予選のころのパフォーマンス。W杯も行ってほしい」と期待を寄せた。次節長崎戦に前田は「一番は勝つことが大事。それだけを考えてやりたい」。ゴールを量産すれば、W杯のピッチも見えてくる。【岩田千代巳】