<ナビスコ杯:神戸2-1仙台>◇1次リーグ◇1日◇ノエスタ

 仙台はアウェーで神戸に敗れ、1勝1分け4敗の最下位に終わった。開始1分で先制を許す展開も、同37分にベガルタ初先発のMF藤村慶太(20)がプロ初ゴール。勝利には結びつかなかったが、チーム最年少のボランチが起用に応えて結果を残した。

 勝って喜びたかった。藤村はベンチで終了間際に許した決勝点を見届け、天を仰いだ。対J1での初先発で初ゴールを決めたが「立ち上がりはミスも多くて、得点以外は納得いくプレーはできなかった。今回は悔しい気持ちの方が強いです」と笑顔はなかった。

 鮮やかな同点ゴールだった。前半37分、FWウイルソンのシュートのこぼれ球に対して「来ると予測していた」と素早く反応。左足を振り抜くと、クロスバーに当たってネットを揺らした。「いい感じにミートできて、入った瞬間は自分でもビックリした」。ベガルタでの公式戦初シュートは、会心の一撃だった。

 これで緊張も吹き飛んだ。後半は積極的にボールに絡み、相手へのプレッシャーも激しさを増した。疲れも見えた同34分に途中交代となったが「3年目の遅いデビューだけど、これが第1歩。練習から厳しくやって、次は90分出て勝ちたい」と今後の飛躍を誓った。

 同じく仙台初スタメンの新人GKダニエルも堂々とゴール前に立ちはだかった。2失点したが「結果にはつながらなかったけど、いい経験になった」と前を向いた。渡辺監督は「2人とも『もっと何かできた』と感じてくれたと思う。次へのステップにしてほしい」と期待を込めた。この日の先発11人の平均年齢は、前節G大阪戦の28・36歳から2歳若返った。中断前最後の試合に敗れはしたが、新たな力が仙台に大きな刺激を与えた。【鹿野雄太】