<天皇杯:清水2-1札幌>◇3回戦◇20日◇アイスタ

 清水がJ2札幌を逆転で下し、4回戦進出を決めた。1点を追う前半41分、FW大前元紀(24)が同点ゴールを決めると、終了間際の後半45分には途中出場のFWノバコビッチ(35)が16日のJリーグ仙台戦に続く公式戦2戦連発となる決勝点を挙げた。苦しみながらも、何とか格下に競り勝った。

 FW大前が“定位置”のゴール前で輝きを放った。格下相手にまさかの先制点を許して迎えた前半41分、FW高木俊幸(23)のスルーパスに反応。飛び出した相手GKを体だけの巧なフェイントでかわし、冷静に右足でネットを揺らした。16日のリーグ仙台戦に続く、公式戦2戦連発弾でゲームを振り出しに戻した。

 PKで12戦ぶりのゴールを記録した同試合後、大前は「PKだったけど、点を取れたことは良かった。気持ち的にも変わってくるし、次につながっていくと思う」と、口にしていた。その手応えを確信に変える一撃。エースが役目を果たすと、チームにも徐々にエンジンがかかっていった。

 同43分に中央からMF石毛秀樹(19)が、強烈ミドル。後半開始早々の2分には、FW高木俊の左クロスに再び大前。ゴールを脅かした。同20分には切り札のMF村田和哉(25)を投入。その後もFWノバコビッチやMF河井陽介(25)とフレッシュな選手を次々とピッチに送り、勝ち越し点を奪いにいった。

 すると、終了間際の同45分だった。その助っ人ストライカーが右足一閃(いっせん)。待望の勝ち越し点をたたき込み、4回戦に駒を進めた。【前田和哉】