J2磐田は29日、磐田市内で11月1日のアウェー千葉戦に向けて調整した。千葉は、昨季磐田を指揮した関塚隆氏が監督を務めている。GK八田直樹(28)は関塚氏から正GKを任され、チームの守護神として定着した。「勝つことは恩返しではないから、自分がプレーしていることを見せることが恩返し」とプレーで表現するつもりだ。

 八田がゴールを任されたのは昨年8月10日のJ1広島戦。正GKがベテラン川口能活(現岐阜)から八田へ交代した。起用に感謝するが「自分的に結果が出せなかったから今、この場所(J2)にいると思う」と自戒する。それだけに「去年と違う部分が見せられれば」と思いは強い。

 J1昇格プレーオフ争いも激烈で、磐田と5位千葉との勝ち点差はわずかに3。相手はリーグ4連勝と波に乗り、特にFW森本とケンペスには得点力もある。「最後は相手FWとの勝負になる。でも、FWにボールが入る前で(ピンチの)芽を摘めれば」。

 GKコーチのイッカ氏の「1回ミスをしても、下を向かずに90分通してベストのプレーをしたら大丈夫」との言葉も支えだ。前節でキックの精度を欠いた反省も忘れていない。今季、顕著になったチャレンジ精神を恩人の前で発揮し、名波ジュビロのアウェー初勝利を挙げる。【岩田千代巳】