右膝痛で離脱していたJ2札幌MF上里一将(28)が30日、札幌宮の沢での全体練習に合流した。湘南戦途中で負傷交代。当初は11月1日のアウェー東京V戦を回避する予定だったが、回復が早まり、本人が復帰を志願した。背番号20が強行出場で、勝ち点2差に迫ったプレーオフ圏入りへとけん引する。

 残り4試合。上里が体を張って3連勝に導く。この日の紅白戦は主力ボランチでプレー。練習中に古辺コーチから状態を確認されたが「大丈夫。いけます」とフルメニューを消化した。リバウンドがなければ東京V戦の先発が濃厚。バルバリッチ監督(52)も当初、次節の起用は回避する予定だっただけに「非常にいい動き。膝の状態が思ったより良かった。これはポジティブな驚き」と喜んだ。

 昨年は9月に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、全治8カ月の重傷を負った。約2カ月、最終戦までの計9試合を棒に振り、チームはプレーオフ進出を逃した。悔しい思いがあるだけに「今年こそは何とか最後までみんなと戦っていきたい」と気を引き締めた。

 左アキレスけん痛再発で、河合主将の欠場が確定しており、東京V戦はゲームキャプテンを務めることになる。精神的支柱としての役割も背負っており「若い選手も元気にやっているし、勝っているときに自信をつけさせたい」と前を向いた。【永野高輔】