C大阪が来季監督の有力候補として、元韓国代表FWでKリーグ浦項の黄善洪(ファン・ソンホン)監督(46)を挙げていることが8日、分かった。既に水面下で接触しており、今後、正式オファーを出す方針だ。同監督はC大阪に在籍した99年にJリーグ得点王を獲得するなどカリスマ的存在だった。クラブ側は低迷するチームの再建を「セレッソ愛」のある人物に託す方針を固めており、白羽の矢を立てた。

 韓国に詳しい関係者は「代理人を通じて、C大阪と黄氏側が、何度か連絡を取り合っていることは間違いない」と明かした。現在はまだ浦項を率いているため、慎重に話し合いを進めていく。複数の候補者の中から一本化しており、順調なら12月中にも正式決定させたい考えだ。

 今季のC大阪は10年W杯MVPのウルグアイ代表FWフォルランらを補強して優勝候補に挙げられながらも、まさかの低迷。6月にポポビッチ監督、9月にはペッツァイオリ監督を解任し、現在は今季終了までの期間限定でユース(U-18)から大熊監督を昇格させる緊急措置をとっている。現在リーグ戦は降格圏の17位。次節22日仙台戦にも、J2降格決定の可能性がある。クラブ側は最悪の事態も想定。仮に降格した場合でも、黄監督に再建を任せる可能性が高い。

 C大阪は、06年まで在籍した元日本代表で川崎FのFW大久保嘉人(32)にも正式オファーを出している。黄監督と大久保。かつてC大阪を支えたOBの招聘(しょうへい)が実現すれば、これ以上ない“大型補強”になる。

 ◆黄善洪(ファン・ソンホン)1968年7月14日、韓国生まれ。ドイツ・レーバークーゼンのアマチュアチームなどを経て、93年に浦項入り。98年から2年間C大阪に在籍し、99年に25試合24ゴールで得点王とベストイレブンに。韓国代表として90年イタリア大会から4大会連続W杯出場。02年日韓大会で4強進出に貢献した。水原三星、柏、全南と移籍し、03年に引退。07年から釜山、11年から浦項監督で昨年Kリーグを制した。