守備のスペシャリストの戦列復帰が秒読み段階に入った。J2山形は10日、山形県総合運動公園で流通経大(関東大学リーグ1部)と練習試合(45分×2)を行い、左手負傷などで戦列を離れていたベテランDF石川竜也(34)が本格的に実戦調整。約60分間プレーし、プレーオフ進出をかけたリーグ残り2戦と天皇杯・準決勝(26日=千葉戦)に向けて好材料を残した。

 石川は10月11日の長崎戦で左手舟状骨を骨折して手術。同時に左足も痛めて戦線を離脱していた。紅白戦以外では約1カ月ぶりの実戦で、3バックの左DFで後半17分までプレー。「60分間動けたのは良かった。手も足もコンタクトプレーで使う。試合勘を取り戻しながら調整したい」と完全復活に手ごたえを示した。

 背番号と同じプロ13年目。フィールドプレーヤー最年長としてチームの精神的支柱にもなっている。故障前まで今季J33試合(先発32戦)に出場。石川が試合に出なかった7試合の平均失点1・57に対し、出場した試合は0・94と守備安定に貢献している。

 プレースキッカーとしてもCKやFKで、MF宮阪とコンビを組み、セットプレーからの得点に貢献。左からの正確なクロス供給にも一役買っている。静岡出身の石川は「誰が出てもいいように準備したい」と、故郷でのアウェー磐田戦(15日)出場に照準を合わせた。【佐々木雄高】