<天皇杯:G大阪3-1山形>◇決勝◇13日◇日産ス

 4季ぶりJ1復帰、東北勢81年ぶりの天皇杯決勝と、快進撃を続けた山形は、日本一にあと1歩届かなかった。石崎信弘監督(56)は「(G大阪には)J2にはない個の力があった」と1-3の結果を受け止めた上で「ガンバに対して勇気を持って戦った。よく頑張った」。最後までゴールを目指した選手をたたえた。

 J2でシーズン6位のチームが、J1王者を苦しめた。後半17分にはMFロメロ・フランクのゴールで1点差に詰め寄った。昇格プレーオフで4位磐田、3位千葉を連破してJ1切符をつかんだ勢いそのまま、攻めの姿勢を貫いた。だが緊張感もあったのか、後半は足をつる選手が出始める。決定的な3点目も、MF山田がピッチの外に出ている間に奪われた。

 今季躍進の立役者、GK山岸範宏(36)も後半、PKエリア外まで飛び出し、ダイビングヘッドでピンチをしのぐなど気迫のプレーを見せたが、G大阪の壁は厚かった。山岸は「最後に負けたのでいいシーズンとは言えないが、収穫は少なくなかった。この悔しさを忘れないようにしたい」。来季、同じJ1の舞台でリベンジすることを誓った。