“OKルーム”で悩み無用!

 J2札幌が26日、沖縄合宿を開始した。20泊21日の長期合宿で、昨季主将のMF河合竜二(36)と元日本代表のMF小野伸二(35)が宿舎で同部屋になった。選手にとって、戦術的支柱の小野と、精神的支柱の河合の部屋を訪ねることで、プレー、メンタル両面の悩みを相談し、一発解消も見込まれる。究極の“アニキ部屋”を生かし、ピッチ外でも合宿効果を上げる。

 過酷なキャンプには、いろいろな問題がつきまとう。札幌の今季35人中、約半分の17人が23歳以下の若手選手。力みすぎて予想外のケガもすれば、精神的な悩みが生じることもある。そんな不安は小野と河合の“OKルーム”が、すべて、すっきり解消してくれそうだ。

 小野と河合は、10代から浦和でともにプレーをし、その後も親交を続ける。公私ともに仲が良く、単身赴任で札幌生活をする小野は、オフに河合の家族と食事をすることも頻繁だ。クラブ担当者は部屋割りについて「部屋では出来るだけリラックスできるように、出来るだけ年が近かったり、比較的、話をする選手同士で組んだ」と狙いを説明。相性の良い2人のベテランがそろう部屋が、若手育成の“プチクリニック”になる。

 小野はバルバリッチ監督が今季の攻撃のキーマンと期待している。河合はDFの要であり、昨季まで4シーズン、3監督の下で主将を務めた精神的支柱だ。川崎Fでは最年長だったMF稲本も「自分より年上の(河合)竜二さんがいるのは頼りがいがある」と言う。海外経験豊富で天才的サッカー観を持つ小野と、稲本も信頼する精神的支柱の河合の相部屋は、ピッチ外でも若手の成長を促進しそうだ。

 小野も河合も、後輩の相談事には親身になるタイプ。初めてキャンプから加わる小野は「今年は若い選手にも、もっとゲキを飛ばしてJ1に上がるんだという気持ちを見せられるようにやりたい」と言う。癒やし、諭し、闘魂注入まで-。アニキ肌2人がそろう一室が、若手の心を伸ばす、悟り部屋となる。【永野高輔】