Bミュンヘンのジョゼップ・グアルディオラ監督がまたしても、やらかしてしまった。

 先週火曜のドイツ杯準決勝で日本代表MF香川真司が所属するドルトムントと対戦した時のこと。試合中、PKを取ってもらえなかったことに納得できない同監督は、第4審判ダニエル・ジーバートのところに行くと、「なぜなんだ!?」と言わんばかりの表情で同審判の肩に両腕を回し、まるで彼が恋人であるかのようにそっと抱きしめ、落胆を表現したのだった。

 同様の“グアルディオラ劇場”は、これまでにも何度かピッチ脇で上演されている。

 まず昨年10月、ブンデスリーガ第9節のボルシアMG戦で第4審判ビビアナ・シュタインハウスの肩を抱きながら判定に抗議。同審判が女性であり、また彼女がグアルディオラの手をそっと払いのけたこともあって、当時は面白おかしく報じられていたが、さらに今年2月のシャルケ戦ではアリエン・ロッベンのゴールに喜び、近くにいた第4審判ロベルト・ケンプターを思い切り抱擁。その喜び方があまりに激しくケンプターも一瞬笑顔を見せたが、職務を思い出したのかすぐさま真顔になり、同監督を自分の身から離すというシーンがあったのだ。

 今回を合わせると3度目。さすがにDFB(ドイツサッカー連盟)も対策を講じるしかなかった。

 専門誌「FOCUS」(電子版)の取材に対し同連盟の関係者は、「グアルディオラがここまで審判に接近することは決して好ましいことではない。コーチングゾーンで監督があのような行動を取り出すと、我々としても非常にやりづらい」と話し、全審判員に対し「グアルディオラと抱擁してはいけない」という禁止令が通達されたことを明かしている。

 匿名であることを条件にこの取材に応じてくれた同関係者は、さらにこう続けている。「問題なのは、彼のこの行為が『スポーツマンシップに則っていない』と断定するのが一見難しいところ。もし主審がグアルディオラを退席処分にすれば、その審判は悪役と見なされるだろう。バイエルンと彼の契約はまだ1年残っており、今後もあのようなシーンには出くわす可能性が高い。しかし、次は必ず退席処分にするべきだ」

 「審判の威厳を損なう」という批判も噴出しているグアルディオラ監督の行き過ぎたアクション。過去3回はいずれもおとがめなしだったが、4度目の上演をしたあかつきには、さすがに何らかの罰を受けることが確実とみられている。