ブンデスリーガ1部と2部のクラブが、肥満で悩むファンの減量に手を差し伸べている。

 ビルト紙など複数ドイツメディアが伝えたところによると、シャルケ、レバークーゼン、ライプツィヒ、ブラウンシュバイク、ニュルンベルクの5クラブは、福祉団体「ドイツ・ガン患者支援」と共同で「サッカーファンにトレーニングを」という名のキャンペーンを開始。各クラブは、スタジアムに訪れたファンの中から、<1>このプロジェクトに参加する意思がある<2>胴囲100センチ以上<3>35~65歳の男性、この3項目を満たす人を最大で40人集め、参加者は向こう3カ月間、週に1度、90分間の運動に汗を流さなければならないという。また、トレーニングはそれぞれの本拠地で行われ、指導を行うのは各クラブのプロコーチたち。ファンにとっては、日頃から愛情を注いでいる場所で、一流の専門家から指導を受けながらダイエットできるという、願ってもない機会なのだ。

 「ドイツ・ガン患者支援」のトップを務めるゲルト・ネッテコーフェン氏は、このキャンペーンを開始した理由について、こう話している。

 「普段、自分が運動をすることにあまり興味を持っていないサッカーファンが、スポーツに取り組むきっかけになってくれると信じています。なぜなら、肥満とガンの関係性はすでに証明されているからです」

 「ドイツでは毎年50万人、つまりシャルケの本拠地収容人数の8倍もの人が、新たにガンに罹患(りかん)しています。しかしそのうち半分は、食事改善や運動、そして体重管理で防げるのです」

 実はこの“サッカーファン減量計画”、2014年にスコットランド・プレミアリーグでも行われ、トレーニング期間は12カ月という長期だったが、約750人の参加者は平均5kg近いダイエットに成功。週にたった1度の運動でも、継続的に行えば十分な効果が得られることを実証している。

 なお、ブンデスリーガにおけるこのプロジェクトには、先述の5クラブ以外も興味を示しており、3年にわたってさまざまなチームで実施されていく予定だという。