ドルトムントの日本代表MF香川真司(26)がヘルタ戦後、珍しく相手への配慮を欠いた言葉を口にした。勝利した直後、思うようなプレーができなかった理由について「相手も弱かったから。先制してフワッとなってしまった」などと話した。香川はビルト紙の採点ではチーム最低タイの3(1~6で1が最高)だった。

 正直な思いを言葉にしただけなのだろうが、相手から反感を買いかねないコメントだ。トップ下で後半39分までプレーした香川は、何度かチャンスをつくりながら無得点。後半17分にはドリブルからシュートを放ったが、ゴールのはるか右上を越えていった。香川は試合後、本来のプレーが見せられなかったことについて説明した。

 香川 今日はみんな、すごく(体が)重かったと言っていた。あとはメンタル的なもの。相手も弱かったから。前半も(自分たちは)最初からすごくぬるかったし、相手も若干ビビっていた。その中で先制点をとって、変な余裕が生まれて、よけいにフワッとなってしまった。

 すでにリーグ戦はBミュンヘンの3連覇が決定。9日現在7位のドルトムントにとって、モチベーションを保ちにくい状況にあるのは間違いない。リーグ5~6位に食い込めば欧州リーグ(L)に出られるが、今月30日のドイツ杯決勝・ウォルフスブルク戦に勝って優勝しても欧州L出場権を得る。そのためリーグ戦残り試合の意味合いが希薄になっている。

 香川は「目標の置きどころが難しい」という。確かにそのとおりだが、それでもベストのプレーを見せるのがプロ。そうでなければ相手だけでなく、この日、本拠地シグナル・イドゥナ・パークに集まった8万667人のサポーターに対しても、リスペクトを欠くことになる。【鈴木智貴通信員】