ジーコ監督(55)率いるフェネルバチェが、「世紀の番狂わせ」に挑む。8日(日本時間9日未明)、欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第2戦でチェルシーと対戦。初戦ホームで2-1で退けた欧州きっての金満クラブに対し、ジーコ監督が「サッカーはチームスポーツ」と当てつければ、主力選手は「モウリーニョのいないチェルシーは怖くない」と言いたい放題。クラブ史上初の4強へ、チェルシーをのんでかかっていた。

 ジーコ・ファミリーが、チェルシー撃破に自信をみなぎらせた。5日の国内リーグのカイゼリスポル戦は、劇的なロスタイム弾で2-1で勝利。勢いを加速させたチームは、怖い者知らずだ。まずジーコ監督が言い放った。「サッカーはチームスポーツ。成功は特定の個人によってもたらされるものではない。じっくり戦術を練った上でチームが一丸となり、初めて実現できる」。敵将グラント監督に当てつけたかのような発言だった。

 さらにFWケジュマンが、古巣をばっさり切り捨てた。「前のチェルシーはモウリーニョ監督の下、精巧なマシンのように(ロスタイムを含めて)95分間ミスをしないチームだった。しかし、今はあちこちにすき間がある。あのころとは違うし、我々には大チャンス」と言いたい放題。世間の見方とは異なり、欧州4強は夢物語ではない。そんな気概に満ちあふれた。

 ジーコ監督は自身の現役生活を日ごろからチームに語り、選手を奮い立たせてきた。それだけに「現役時代の高いレベルの成功が、私の監督としてのアドバンテージ」と言い切る。チェルシーのJ・コールに「僕のアイドル」と言わしめるなど、両者の力関係は完全に逆転ムードだ。