【バルセロナ=山本孔一通信員】日本代表MF中村俊輔(31)が所属するエスパニョールが来夏、G大阪と親善試合を行う計画があることが22日、分かった。Jリーグ関係者がエスパニョールが打診していると明かした。近日中にも幹部が日本へ出発し交渉を進めるとみられる。エスパニョールは日本語の公式HP開設の検討も始まるなど「俊輔ビジネス」に向けて、本格的に動きだした。

 リーグ戦の開幕から約1カ月が経過し、早くも中村の凱旋(がいせん)試合のプランが浮上してきた。エスパニョールと昨季アジア王者のG大阪との対戦-。Jリーグ関係者は「そういう話がスペイン側からG大阪に来ているのは確か」と認めた。22日のアス紙は、早ければ今月中にもマーケティング責任者のシプレス氏ら幹部が日本に向かうとしている。来年6月のW杯後、スペインリーグ開幕前の開催を目指し、詰めの交渉に入るとみられる。

 エスパニョールの主力である中村は、その一方でマーケティング面の「顔」でもある。アス紙は中村を「金を産む鉱脈」と表現し、エスパニョールが親善試合以外にも、中村を広告塔としてビジネスを展開していくと報じた。日本語のHPの開設が検討されているほか、ユニホームなどのグッズの売り上げ増や、日本からスペインへの観戦ツアーの開催などが予想される。

 Jリーグ関係者はエスパニョールとG大阪の親善試合について「来年のW杯直後ですから、かなり盛り上がるでしょう」と話す。日本代表の成績次第では、G大阪MF遠藤との直接対決は大きく注目され、日本で親善試合を初開催するエスパニョールにとっては大きなメリットがある。

 06年欧州チャンピオンズリーグのマンチェスターU戦で中村のFKゴールは「経済効果45億円」とも報じられた。そんな大きな可能性を秘めたエスパニョールの「俊輔ビジネス」が、いよいよ本格的に動きだす。

 [2009年9月23日7時55分

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