<セリエA:インテルミラノ2-1フィオレンティナ>◇16日◇フィレンツェ

 インテルミラノ初先発となった日本代表DF長友佑都(24)が先制点に絡んだ。前半6分。自陣中央でDFマイコンが、MFスタンコビッチへパス。その瞬間、そばにいた長友と3人並んで、相手ゴールへ約60メートル猛ダッシュした。ラ・レプブリカ紙が「東京駅から正確に発車する電車のよう」という走りでゴールに迫った。

 長友のセンターFWのような動きが相手DFを幻惑した。長友やマイコンのマークなのか、右サイドでパスを受けたエトーにつくのか位置取りを甘くさせ、エトーが中央へ入れたパスが足に当たるオウンゴールを誘発した。最終的に2ー1で勝利し、首位ACミランに勝ち点5差。長友は「みんな喜んでブラボーと言ってくれた」と話した。

 長友の仰天ダッシュに興奮し過ぎたのか、レオナルド監督は声の出し過ぎで喉がかれ、試合後会見を欠席。代わってバレージ・コーチが「監督が信頼して長友を使った。初先発としては満足以上の結果」とたたえた。

 ただ王者インテルは周囲の見る目が厳しい。「不安げで正確さに欠けていた」(ガゼッタ・デロ・スポルト紙)「後方にパスを戻すのみ」(コリエレ・デロ・スポルト紙)と辛口評価が並んだ。「正確に発車する電車」と評したラ・レプブリカ紙も「到着した際に何をすべきか分かってない」と記した。

 長友自身も試合後「今日もパスミスが出たりした。すべてで精度を上げないと。ここはレベルが高いんで」と反省。次戦19日のカリャリ戦へ気合を入れた。【波平千種通信員】

 [2011年2月18日9時16分

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