【バーゼル(スイス)22日=中野吉之伴通信員】C大阪からスイス1部バーゼルに移籍した日本代表FW柿谷曜一朗(24)が、欧州チャンピオンズリーグ(CL)での番狂わせを誓った。クラブでは異例となる入団会見に臨み「強い相手を倒すことがバーゼルの価値を高めていく」と決意。27日のホーム開幕ルツェルン戦でのデビューを目指す。

 欧州CLでの下克上を宣言した。バーゼルでは異例という一選手の移籍会見は、公式サイトで生中継された。17日に合流した柿谷は「欧州CLは子供の頃から憧れていた舞台。対戦相手はどこがきても強いと思うし、強い相手を倒すことがバーゼルの価値を高めていくと思う。そのために勝ちたい」と、すべて日本語で強気に話した。

 スイス1部リーグで5連覇中の強豪は、今季の欧州CL出場権を獲得し、9月16日開幕の1次リーグに臨む。過去にはマンチェスターUやユベントスを破ったこともあり、今季はBミュンヘン、バルセロナなどの強豪と対戦する可能性がある。地元記者から「24歳での欧州移籍は遅いのでは?」という厳しい質問も出たが「チームのために一生懸命やることに年齢は関係ない」と断言した。

 同席したパウロソウザ監督は柿谷に対し、練習の前後に個別の時間を設け、チームでのプレーについて説明しているという。元ポルトガル代表の指揮官は「前の3つのポジションができる選手。いいタイミングでゴール前に入れる選手なので、得点につながるプレーをしてほしい」と、状況に応じてFW、トップ下、サイドMFでの起用を示唆した。

 同僚からは「カキ」「ヨウ」と呼ばれている柿谷は、強い雨が降ったこの日の練習で、パス回しに参加するなど精力的な動きを見せた。19日の開幕アーラウ戦(アウェー)はベンチ外だったが、次節27日のデビューへ準備を整えた。

 ◆スイスリーグ

 バーゼルの所属する1部はスイススーパーリーグと呼ばれ、10チームによる4回戦総当たりで計36試合を行う。優勝回数はグラスホッパーの27回が最多で、現在5連覇中のバーゼルは2位の17回。国内リーグのない隣国リヒテンシュタインのチームも参加している。