<国際チャンピオンズ杯:オリンピアコス3-0ACミラン>◇1次リーグB組◇24日◇トロント

 ACミランの日本代表FW本田圭佑(28)が欧州のクラブによるインターナショナル・チャンピオンズカップ(国際チャンピオンズ杯)の開幕戦、オリンピアコス戦で再スタートを切った。後半32分から途中出場。休暇からのチーム合流3日目でW杯以来の実戦復帰だった。試合は完敗した。

 W杯でたたきのめされた本田がカナダ・トロントで再スタートを切った。出番は後半32分から。北米のサッカー好きからは大きなホンダ・コール。異例のスピードでW杯コロンビア戦以来、1カ月ぶりの実戦復帰を果たした。

 15分足らずの出場でプレー機会は数えるほど。体をぶつけてボールを奪いに行く場面もあったが守備に追われ、持ち味を発揮する局面はなかった。ひとつひとつの動きを確認するようにプレーした。

 まさかの出場だった。本田自身は準備はしていたか?

 との問いに「もちろん、もちろん」とだけ答えた。ただ、実際は前線のコマ不足による苦肉の起用であることをインザギ新監督が明かしている。

 まだチーム合流から3日目。直前には休暇を与えられていた。W杯を戦い同時期に合流したバロテリら残る3人はベンチにも入らずVIPラウンジから“高みの見物”を許された。チーム事情も絡むが、今季の本田の立場が絶対的ではないことを示す復帰だ。

 起用は3トップの右だった。この位置には期待を受け新加入したメネズが入る見込み。新監督は現状、本田が得意とするトップ下を採用していない。指揮官は「本田は私にとって重要な選手。中盤、今日の右サイドと、いろいろなポジションでプレーできる」と言った。生き残るにはスピードを要求されるサイドか超激戦区の中盤となる。アギレ新監督が率いる新生日本代表と同じように、厳しい競争を勝ち抜くしか、もう自らの価値を示す道はない。

 約1カ月の休暇中はサッカーから離れ、リフレッシュを優先。プロになって10年目。これだけ長くまとまった休みを取ったのは初めてだった。W杯敗退直後に「また目指したい」と公言した4年後、ロシアでのW杯に向け長く険しい道のりがまたスタートした。【八反誠】