[ 2014年2月18日10時23分

 紙面から ]男子40キロリレーで力走する第2走者の吉田(共同)

 「北海道で一番小さな村」から初めて誕生したオリンピアンが、村民の胸に希望の火をともした。

 16日に行われたソチ五輪スキー距離男子40キロリレー。音威子府村出身の吉田圭伸(27=自衛隊)は、エース区間の第2走者を任された。日本チームは最下位だったが、順位によって功績が陰ることはない。道内最少人口の村民822人(1月末現在)は一夜明けた17日、故郷の高校に初めて日本一のタイトルをもたらし、世界への挑戦を続けている吉田を改めて誇りに思っていた。

 吉田が五輪代表となったことで、不思議な縁もあったという。かつて姉妹提携していた岐阜の旧上之保村(現関市)との関係だ。1996年(平8)に提携し、98年からは「子ども交流事業」がスタート。吉田は小学5年時に同村を訪れていた。05年の関市との合併後に提携は解消されたが、当時を知る上之保村関係者の提案で、上之保小の児童らの寄せ書きが吉田に届けられた。応援会を取り仕切った村職員の北谷英幸さん(57)は「これも縁だし、またつながっていければ」とソチ五輪“副産物”を喜んだ。

 吉田に続く選手への期待は膨らむ。母校おといねっぷ美術工芸高スキー部の棚橋栄治監督は「生徒たちには常に『オリンピック』と言い聞かせている。先輩が出たことでやる気も高まったのでは」と笑顔で話していた。【保坂果那】