<陸上:アジア選手権>◇3日目◇12日◇中国・広東奥林匹克体育中心(広東オリンピックスタジアム)

 男子400メートルリレー予選第2組で、江里口匡史(20)塚原直貴(24)高平慎士(25)藤光謙司(23)でつないだ日本は39秒24で1位になり、トップタイムで決勝へ進出した。

 「僕が走れてないと思ったから、走り出す位置を少し縮めて下さいと高平さんに頼んだけど、意外に走れてたから詰まっちゃって」と塚原が言うと、高平が「バトンパスで初めて塚原に抜かれちゃったから」とまぜっ返す。チームの中で最も信頼がおける塚原と高平のバトンパスが、詰まってしまったからこそレースはゴールまで、中国と0秒03差の激しい競り合いになった。

 「僕も1時間前の200メートルではフライングがあったから、実質80メートル+200メートルを走っていて疲労もあったし。でもあんなに競っても4走の藤光は、ベルリンの世界選手権を走っただけあってそのままの差を保っていってくれた。このトップは重要だと思います」と高平は藤光の頑張りを評価する。

 「リレーのための練習はしていない大会だけど、このメンバーではこれからも走ると思うから。個々の疲労状況を見て微調整をしながら走ってキッチリ結果を出すのも、底力をつけるためには必要だと思います」と塚原は言う。「何があっても、アジアでは負けるわけにはいかない」という、メンバーたちの意気込みの高さを見せる予選だった。