日本陸連が、ロシアのドーピング問題を受けて、10代の選手への「特別授業」を計画していることが19日、分かった。尾県貢専務理事(56)は、男子短距離サニブラウン・ハキーム(16=東京・城西高2年)ら若手に対して「何が違反か、分からないことが多いと思う。ロシアの問題を踏まえて、サポート、フォローをやりたい。今から(指導を)どんどんやっていきたい」と方針を明かした。

 国際陸連は、ロシア陸連への暫定的な資格停止でドーピング違反に対する厳しい姿勢を鮮明にした。日本陸連は代表合宿などで講習を行うが、さらに徹底する。尾県専務理事は「国家が関与しているとされるロシアと、日本では状況が違うが」とした上で、「知識がない場合もある。風邪薬で、何が違反か。アスリートが自分を守るために指導したい」。選手がJADA(日本アンチ・ドーピング機構)に提出する毎日の居場所情報についても「3回、報告場所にいなかったら検査未了で資格停止。そのあたりも徹底する」と話した。

 日本陸連は20年東京五輪を念頭にした「ダイヤモンド・アスリート」など育成プロジェクトに力を入れている。うっかりミスではすまされない陸上界の潮流も含めて「特別授業」でサニブラウンら金の卵を守る。