国際陸連のニック・デービス会長室長が2013年にモスクワで開かれた世界選手権の大会直前にロシアのドーピング違反者公表の先送りを画策したとされる問題で、同会長室長が倫理委員会の調査終了まで一時的に離職することが22日、分かった。

 デービス会長室長は同じ英国人のコー会長の右腕と期待される存在。広報部長だった13年当時、ディアク前会長(セネガル)の息子で国際陸連のコンサルタントだったパパマッサタ・ディアク氏に宛てたメールで「違反した選手が出場しないのなら名前の公表は大会終了まで待ってもよい」「今は賢く振る舞う必要がある」などと提案し、違反者の公表を意図的に遅らせた疑いが指摘されている。

 国際陸連の副事務総長でもあるデービス会長室長は「当時のメールは意見を出し合った段階で計画は実行されていない」と隠蔽(いんぺい)工作を否定した。

 国際陸連は世界選手権後の4カ月でロシアの16選手の処分を発表。この問題に関連し、ロシア陸連は国際陸連から資格停止処分を受けている。