陸上の桐生祥秀(21=東洋大)が21日、オーストラリア合宿から帰国した。現地で出場した今季初戦のレースで10秒04を記録。スタートの反応を課題に挙げながら「中盤から後半のスピードが上がっている」とうなずいた。

 進化は数字に表れていた。手元の計測のため「誤差はある」(土江コーチ)というが、同レースで最高速度が秒速11・7メートルを記録したという。日本陸連科学委員会の松尾彰文委員によれば、10秒を切る条件は「秒速11・6メートル以上」。日本陸連が持つデータでは、追い風2・0メートルまでの公認記録の範囲で、この数字を上回った現役選手はいない。9秒台への機運が高まる。

 国内初戦は来月22、23日の出雲陸上の見込み。桐生は「出雲の英雄である土江先生(島根・出雲出身)のためにも」と好記録へ意気込む。その後は織田記念(29日)、5月のダイヤモンドリーグ第2戦の上海グランプリにも出場する予定だ。