<陸上:アジア選手権>◇最終日◇10日◇神戸ユニバー記念競技場

 最終日のリレー4種目はすべて日本が優勝し、スタンドにつめかけた観衆を沸かせた。最初に行われた女子400メートルリレーは中国がバトンパスでもたついたことにも助けられ、44秒05で優勝した。3走の福島千里(23=北海道ハイテクAC)は200メートルとの2冠を達成。「昨年のアジア大会で負けていたので、勝てて良かったです」とホッとした表情を見せた。

 2種目めの男子400メートルリレーは2走から3走のバトンパスでミスがあったものの、走力の違いを見せ39秒18で中国香港以下を振り切った。北京五輪銅メダリストでもある3走の高平慎士(26=富士通)は「バトンパスの精度をもっと上げていく必要がある」と、世界大会入賞常連チームメンバーらしいコメント。

 3種目めの女子1600メートルリレーは1走からリードを奪い、4走でカザフスタンに差を詰められたが3分35秒00で逃げ切った。3走でリードを広げた久保倉里美(29=新潟アルビレックスRC)は400メートルハードルとの2冠を達成。「記録的にはよくありませんが、1走からトップを保ったのは初めて。次につながる」と笑顔を見せた。

 最後の男子1600メートルリレーも1走からリードし、2走、3走とイラクに食い下がられたが、4走の金丸祐三(23=大塚製薬)で独走に持ち込んだ。2位のサウジアラビアに3秒以上の大差をつける3分04秒72で優勝。アンカーの金丸は「日本のリレーはアジアのレベルではありません。アジアチャンピオンの誇りをもって、世界と戦っていかないといけない」と締めくくった。