<トラック&フィールド編>

 5月後半の陸上競技はトラック&フィールド、ロードレース、そして海外のダイヤモンドリーグと注目大会が相次いで行われる。トラック&フィールドは全国大会こそないものの、地区実業団と地区インカレなどに世界陸上候補選手が多数出場する。

 焦点は、男子100メートルの9秒台が期待されている選手たちの走りである。タイム的に最も9秒台に迫っている桐生祥秀(17=洛南高)は高校生。4月末の織田記念で日本歴代2位の10秒01のタイムを出したといっても、京都府インターハイ予選(5月31日~6月2日:京都市西京極陸上競技場)を突破しないと全国大会に出場できなくなってしまう。

 桐生は100メートル、200メートル、男子4×100メートルリレーの3種目に出場すると思われる。ハードスケジュールになるので記録まで期待するのは酷だが、西京極陸上競技場は昨年前半に自己記録を連発したトラック。相性は良い。

 織田記念で桐生と0・01秒差の勝負を演じた山縣亮太(20=慶大)への期待も、桐生と同じくらい大きい。ロンドン五輪では10秒07の五輪日本人最高をマークし準決勝まで進出した。関東インカレ第1週の100メートルと、第2週の200メートル、男子4×100メートルリレーに出場する。

 また、日本選手権4連勝中の江里口匡史(24=大阪ガス)は関西実業団の100メートルと200メートルにエントリー。織田記念では桐生と山縣の勝負に加われなかったが、シーズンを通して乗り切れなかった昨年よりも感触は良かったという。例年、5月のこの大会を経て6月の日本選手権に状態を上げてくる。江里口からも目が離せない。【5月後半の主な陸上競技大会】5月17~19日:関西実業団(兵庫県尼崎)5月19日:ダイヤモンドリーグ上海大会5月18~19日:東日本実業団(茨城県笠松)5月18~19日:関東学生対校第1週(国立競技場)5月19日:高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン(岐阜市)5月25日:ダイヤモンドリーグ・ニューヨーク大会5月25~26日:関東学生対校第2週(横浜日産スタジアム)