<陸上:第82回日本学生陸上競技対校選手権大会>◇第2日◇7日◇東京・国立競技場

 女子100メートルは世古和(22=筑波大)が11秒64で学生初タイトルを獲得した。得意のスタートでリードを奪い、後半も注目のルーキー藤森安奈(18=青山学院大)らを引き離した。2位の藤森に0・13秒差の快勝だった。

 「うれしいです。私は走るだけですが、みんなの応援が形になりました。本当にうれしいです」

 インターハイ優勝者として注目されて筑波大に進んだが1年、2年、3年と記録は後退し、高校時代の11秒68から昨年は12秒08まで落ちた。

 「去年の6月に陸上競技をやめようかとも思って、1週間ほど実家に帰りました。友人や両親と話をするなかで、結果にこだわるのでなく、自分のベストを尽くそうという考えになりました」

 筑波大女子短距離の練習メニューは学生主体で考え、試合への調整過程は完全に個人に任されている。そのやり方も4年生になってものにすることができた。今年は復調して5月の関東インカレで2位。8月には11秒65と4年ぶりに自己新をマークし、関東で敗れた藤森にも今回雪辱した。

 レース展開は明らかに後半が強くなった。

 「元々は前半型でしたが、最近は後半につながる感覚をつかめるようになりました。今日は50メートルくらいで勝てたと思った」

 スプリンターとしての完成度が高くなった世古。今季最後のビッグゲームである10月の国体で、「11秒5台を出してみたい」と記録短縮に意欲を見せた。