「ゲゲゲのエース」擁する明大が、3強に割って入る。来年1月の箱根駅伝へ向けて12日、東京・八幡山の合宿所で会見。4月の世界大学クロカンで優勝し、11月の全日本大学駅伝2区で、北京五輪代表の竹沢健介(早大)の区間記録を塗り替えた鎧坂(よろいざか)哲哉(3年)は「早大に3冠はさせたくない。2冠で止めたい」と宣言した。

 伸ばした髪がバロメーターになる。「レース中に目にかかって、結構うっとうしい」という、人生でもっとも長く伸びた髪。西監督が「鬼太郎そっくり」と笑うほど、髪形は人気妖怪漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の主人公に似てきた。ここまで来たら切るつもりもない。「走れば、髪は後ろになびく。前髪がかかりそうだったら、ペースを上げればいい」。鬼太郎ヘアに“ペースメーカー”を担わせる。

 明大の上位10選手の1万メートル平均タイムは早大、東洋大に次ぐ3番目。3冠を狙う早大、3連覇に挑む東洋大、全日本大学駅伝2位の駒大の3強に、割って入る力は十分ある。花の2区候補の鎧坂は「全日本に続いて区間賞を取れたら。流れをつくりたい」。妖怪アンテナになる鬼太郎の髪は妖力の源。ゲゲゲの鎧坂もその髪の力で、箱根を疾走する。【今村健人】