亡き後輩の分まで-。岩手県奥州市出身の那須川瑞穂(31=ユニバーサルエンターテインメント)が12日、今夏の陸上世界選手権(韓国・大邱)女子マラソン代表選考会となるロンドン・マラソン(17日)に向けて中村友梨香(天満屋)らと成田空港を出発した。地元を襲う東日本大震災に「精神的に難しかったが、励ましの言葉をもらって、やるべきことをやろうと切り替えました」と話した。

 内陸部の実家は大きな被害を免れたが、高校時代に一緒に練習した仲間を津波で亡くした。「たえちゃん」と呼ぶ高田高出身の大沢妙子さんで、97年の東日本女子駅伝では自らタスキを手渡した後輩だった。「(地元は)日に日にひどい状態になっている。でも、私のレースを周りが気にしてくれて『元気になるからやりきっておいで』と言ってもらえた。いろいろな思いを込めて走りたい」。そう誓った。