母国ケニアの自宅で15日に転落死した、08年北京五輪男子マラソン金メダルのサムエル・ワンジルさん(享年24)の母アンさんは17日、ワンジルさんの死因について他殺の可能性を主張した。「妻のヌジェリが私の息子を殺した。彼女は彼が転落したとき、徒歩5分の私の家にさえ何も言いに来なかった」。

 アンさんによると夫妻は女性関係以外にも財産をめぐるトラブルを抱えていたという。「私は病弱だけど2階から落ちて死ぬことはない。脱臼ぐらいで済むはず」と転落死の状況にも疑惑を口にした。

 ケニアの警察当局は当初から、事故か自殺かで見解が分かれていたが、アンさんの証言を受け、事件という新たな可能性についても捜査を開始。国家警察のオウィノ・スポークスマンは「もし誰かが犯罪に関わったことが分かったら、(刑事事件として)判事の判断に委ねられる。誰かが逮捕されるかどうか、調べ直すことになるだろう」と話している。(AP)