スピード勝負もできるんです。ロンドン五輪男子マラソン代表最有力候補の川内優輝(24=埼玉県庁)が13日、都内で行われた「テレビ朝日ビッグスポーツ賞」の表彰式に出席し、「報道ステーション

 スポーツ賞」を受賞した。今月29日に出場予定の奥むさし駅伝(東飯能駅西口前~飯能市内中央通り)でアンカーの6区(約9キロ)を走ることを明かし、スタミナだけではなくスピードでも世界と戦えることをアピールする。

 市民ランナーの川内の意地がうずいていた。奥むさし駅伝で走る距離が短いことを報道陣に問われると、「マラソンばかりと言われているのはどうかと思うんで」。語尾を上げ、顔を真っ赤にして言った。そして「スピード練習にもなる」。埼玉・飯能市の東吾野駅から飯能市内中央通りの6区9・283キロに早くも気持ちを高ぶらせた。

 モチベーションを上げる要素もある。8日に出場した谷川真理ハーフマラソンで総合2位。後半向かい風のコースに苦しんだ。その大会で後半追い風のコースを走って優勝した徳本(日清食品)が、同じ6区を走ることが濃厚。雪辱の舞台にもなる。

 この日の表彰会場では元プロ野球選手の工藤公康氏、古田敦也氏、元マラソン五輪代表の瀬古利彦氏らと言葉を交わした。「みなさんは見るからに信念を持っていると思った。(自分も)固めていかないと」と刺激を受けた。もちろん自らも五輪イヤーも変わらずに市民ランナーとして走る信念はある。「世界の中で日本人、アジア人がどれだけ通用するか挑戦したい」。スピードにも磨きをかけ、決戦に備える。