<名古屋ウィメンズマラソン>◇11日◇ナゴヤドーム発着(42・195キロ)

 4レースを比べると1月の大阪で優勝した重友梨佐(24=天満屋)は代表入りは確実だ。2時間23分23秒のタイムは選考レース最速で、展開も26・5キロ地点で福士を振り切る独走。強さが光った。昨年11月の横浜は気温22度を超える暑さ。記録は2時間26分32秒と低調だが、尾崎好美(30=第一生命)とのデッドヒートを制した木崎良子(26=ダイハツ)のレース内容は評価される。終盤に1度はスパートされたが食らいつき、逆に残り600メートルで逆転した。名古屋で尾崎が勝ったことで、木崎の評価は高くなりそうだ。

 最終選考レースの名古屋は、メンバーの顔触れを見ても最激戦だった。その中で尾崎は日本人トップでゴールして、五輪切符を一気に引き寄せた。日本陸連の河野匡強化副委員長は「マヨロワが仕掛けた中で付いていかないと厳しい。世界にはもっと強い選手がいる」とも発言したが、それでも09年世界選手権銀メダルの実績も加味されれば、安定感ある尾崎が3番目の椅子につきそう。今回の選考基準に明確な条件はなく、「五輪で活躍が期待できる選手」が選考対象。赤羽有紀子(32=ホクレン)は今回の失速が痛い。結果的に国内3レースの各日本人トップ選手が、すんなり収まりそうな状況だ。【陸上担当・佐藤隆志】

 ◆女子マラソンのロンドン五輪代表選考

 昨年8月の大邱世界選手権と同11月の横浜国際、1月の大阪国際、今回の名古屋ウィメンズの4つが対象。今日12日の日本陸連理事会で「五輪での活躍が期待できる」と判断された3人が選ばれる。世界選手権はメダル獲得の最上位者が「内定」だったが、赤羽の5位が最高だった。