日本陸連は11日、大阪市内でロンドン五輪に出場する日本代表メンバー39選手と男女リレーの候補選手を発表した。男子棒高跳びでは、昨年の世界選手権で決勝に進出した第一人者、沢野大地(31=富士通)が落選した。

 選考の中で「実績」「選考会の結果」のどちらを重視するかで議論の分かれる種目があった。その象徴が男子棒高跳び。日本選手権では降雨の悪条件下、大舞台の経験豊富なA標準突破者の沢野と、20歳のB標準突破者・山本聖途(20=中京大)が順位決定戦で争い山本が勝利。実は競技中、両者に「競技を続行するか」の打診があった。両者の意思は続行。高野強化委員長は「白黒をつけると言って白黒がついた。それを覆し(沢野が)Aを跳んでいるからという議論にはならない。(沢野は)今年5メートル72を跳び入賞の確率は高く、いろいろな意見もあったが納得してもらった」と舞台裏を説明。A標準突破者で3位の男子短距離の高平が選ばれ、女子長距離の絹川が落選するなど、多少の疑問は残す選考となった。