日本のお家芸復活へ、「チーム・ジャパン」が誕生した。女子マラソン五輪代表の尾崎好美(30=第一生命)木崎良子(26=ダイハツ)重友梨佐(24=天満屋)は14日、米アリゾナ州の高地フラッグスタッフでの合同合宿へ出発した。92年バルセロナから4大会連続でメダルを取ったが、前回北京では中村友梨香の13位が最高と惨敗。その復権をかけて、初の試みだ。

 第一生命の山下監督は「国内のライバルで切磋琢磨(せっさたくま)するやり方もあるが、ここは知恵を出し合ってやりたい。私は戦いたい」。昨年の世界選手権でケニア勢の強さを目の当たりにした。走力に加え、息の合ったペースの上げ下げ。メダルを狙うには崩さなければいけない相手だ。その対抗策として、レース展開をシミュレーションし、3選手の特長を生かしながら協力する「チーム戦術」を練り上げることになる。

 天満屋の武冨監督は「誰が引っ張るとか、『こうしようね』と対処できる材料が増えれば。保険じゃないけど、選手は安心してレースができる」。シドニーのQちゃん、アテネの野口のようなスターランナーはいない。ここは「三人寄れば文殊の知恵」とばかりに、頭脳プレーで世界に食らいつく。【佐藤隆志】