<大阪国際女子マラソン>◇27日◇長居陸上競技場発着(42・195キロ)

 注目の渋井陽子(33=三井住友海上)は8位に終わった。

 盟友の背中が、かすんでゆく。視界を阻む小雪のせいではない。16度目のマラソンとなった渋井の顔が、25キロ付近からゆがむ。福士との差は30キロ地点で絶望の150メートル。2時間32分41秒の敗北を「疲れる前に力がなくなった。これが今の力なら認めるしかない。ゆっくり反省します」と努めて明るい表情で振り返った。

 初マラソン世界最高記録(当時)を含む2勝の大阪は、一方で9、10、8位と世界挑戦の夢を絶たれた、栄光と辛酸をなめた地。1年かけて体を絞ったが渡辺監督は「合宿中も食事を抜くことがあった」とスタミナ不足を指摘した。「心から“もういいや”と思ったらスパッとやめる」と話していた去就について渋井は「終わったばかりなので考えます」と言及を避けた。