<全国高校バスケット選抜優勝大会:札幌山の手65-44岐阜女>◇女子準々決勝◇26日◇東京体育館

 札幌山の手が岐阜女(岐阜)を下し、05年の3位に続き、道勢としても2度目の4強入りを果たした。U-16代表のセンター長岡萌映子(1年)がチーム2番目の15得点を決め、リバウンドもチーム最多タイの11本と活躍した。27日の準決勝では3連覇を狙う女王・桜花学園と対戦。昨年のこの大会と今夏のインターハイで敗れており、3度目の挑戦で初の決勝進出を目指す。

 札幌山の手が、ゴール下を完全に制圧した。180センチのセンター長岡を中心にボールを集めインサイドから相手を崩した。リバウンドは岐阜女の30本に対し58本。ディフェンスでもゴール下を固め相手にインサイドプレーをさせない。3Pシュートも10本決め、イン、アウトともにバランスの取れた攻撃で1度もリードを許さなかった。今野真澄主将(3年)は「これまでで内容は一番良かった」と、目標の4強入りを果たし笑顔を見せた。

 前日に3時間を超えるミーティングを行った。ベスト8入りを決めても、上島正光コーチ(66)は「これまでまったく一体感がなかった」とチームの現状を危惧(きぐ)していた。選手全員に準々決勝にかける気持ちを一言ずつ発表させ、気持ちを1つにさせた。長岡は「コーチには『一体感がないのはお前のせい』と言われました。見返してやろうと思いました」。この日15得点、リバウンドも11本を決め、3試合でともに自身最多を記録。厳しい言葉をバネに奮起した。

 準決勝の相手は3連覇を狙う優勝候補の桜花学園。昨年の2回戦では72-91。今年8月のインターハイ準々決勝では73-91でともに敗れている。上島コーチは「まちがいなく次の試合は長岡がキーマン」と見通しを話す。桜花学園のゴール下の要で191センチの超高校級プレーヤー渡嘉敷来夢(3年)を長岡がどう封じるかが勝敗の鍵。インターハイでも相対したが高さに圧倒された。

 長岡はこの対戦に向け「高いブロックをかわしながら打つシュートを練習してきました。高いからってひるみません」。今野主将は「ずっとやられている。三度目の正直として勝ちたい」と意欲を見せた。女王を倒し道勢初の決勝進出を狙う。【黒川智章】