<ツール・ド・フランス:UCIヒストリカルレース>◇26日◇最終S◇モントロー~パリ・シャンゼリゼ通り◇164キロ

 約3500キロの長く厳しい道のりの果てに格別の喜びを得た。別府史之(26=スキル・シマノ)は夢の戦いを終えて「長いようで短い3週間。小さいころからあこがれていた舞台で、力を出し切ることができた」と充実感をにじませた。

 強者が集う場で第3Sで8位、第19Sでは7位と存在感を示した。平地では積極的に前線でペースをつくり、チーム内の役割は果たしたといえる。

 一方で世界との差も痛感した。タイム差の出やすい山岳ステージでは逃げに乗ろうとしても集団に付いていけず、後方でのレースを余儀なくされた。成績上位を目指すならチームでの競争を勝ち抜いてエース役に回る必要もある。まだまだ成長しなければいけない点は多い。

 本人も意気込みは十分だ。パリでは初のステージ優勝を狙い、集団から抜け出そうとした。「次につながることを考えて走った。さらに自分自身を高め、また精進したい」。日本の自転車ロードレースを引っ張る26歳は、この完走を飛躍の第1歩にする構えだ。