8月24日〜9月15日 スペイン UCIワールドツアー |
ステージ | ステージ優勝 | マイヨ・ロホ |
第1S | アスタナ | ヤネズ・ブライコビッチ |
第2S | ニコラ・ロッシュ | ビンチェンツォ・ニバリ |
第3S | クリストファー・ホーナー | クリストファー・ホーナー |
第4S | ダニエル・モレノ | ビンチェンツォ・ニバリ |
第5S | マイケル・マシューズ | ビンチェンツォ・ニバリ |
第6S | ミカエル・モルコフ | ビンチェンツォ・ニバリ |
第7S | ズデニェック・シュティバル | ビンチェンツォ・ニバリ |
第8S | レオポルド・ケーニヒ | ニコラ・ロッシュ |
第9S | ダニエル・モレノ | ダニエル・モレノ |
第10S | クリストファー・ホーナー | クリストファー・ホーナー |
第11S | ファビアン・カンチェラーラ | ビンチェンツォ・ニバリ |
第12S | フィリップ・ジルベール | ビンチェンツォ・ニバリ |
第13S | ワレン・バルギル | ビンチェンツォ・ニバリ |
第14S | ダニエーレ・ラット | ビンチェンツォ・ニバリ |
第15S | アレクサンドル・ジェニエ | ビンチェンツォ・ニバリ |
第16S | ワレン・バルギル | ビンチェンツォ・ニバリ |
第17S | バウケ・モレマ | ビンチェンツォ・ニバリ |
第18S | バシリ・キリエンカ | ビンチェンツォ・ニバリ |
第19S | ホアキン・ロドリゲス | クリストファー・ホーナー |
第20S | ケニー・エリッソンド | クリストファー・ホーナー |
第21S | マイケル・マシューズ | クリストファー・ホーナー |
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・第1S(8月24日、チームタイムトライアル ビラノーバ・デ・アロウサ〜サンシェンソ=27km) |
ニバリ総合2位 Vへ好発進
(写真=チームタイムトライアルを制したアスタナ=AP)
開幕ステージのチームタイムトライアルを、アスタナが29分59秒で制した。
トップでゴールしたのはヤネズ・ブライコビッチ(スロベニア=アスタナ)で、「今日はラッキーデーだ。何もかもがうまくいった。ついていなかったシーズンの最後に(総合首位の)レッドジャージーを着ることができてうれしいよ。マドリードでの最終日にこのジャージーを着るために我々はここに来たが、いい兆しとなった」と、チーム公式サイトでコメントした。
今年のジロ・デ・イタリアに続く総合優勝を狙うビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)は総合2位につけ、「ライバルたちに少しでもタイム差を付けられることができて良かった」と好発進を喜んだ。
59秒遅れの71位となったホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)は「今日はついていなかった。早い段階で選手を失い、勝負すべき最後でパフォーマンスが上がらなかった。明日は切り替えるよ」と話した。
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・第2S(8月25日、ポンテベドラ〜バイオナ/アルト・ド・モンテ・ダ・グロバ=176.8km) |
ロッシュV ニバリ総合首位浮上
(写真=第2ステージを制したロッシュ=AP)
今大会最初の山岳ステージをニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)が制した。頂上ゴールへ向けての最後の上りで、ダニエル・モレノ(スペイン=カチューシャ)、ドメニコ・ポッツォビーボ(イタリア=AG2R・ラモンディアル)とともにアタックし、最後は2位に2秒差をつけてゴール。総合でも2位に浮上した。2位にはモレノ、6秒遅れの3位にはポッツォビーボが入った。
第1ステージで総合首位に立ったヤネズ・ブライコビッチ(スロベニア=アスタナ)は47秒遅れの40位と失速。代わって14秒遅れの16位でゴールしたビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)が総合首位に浮上した。総合2位のロッシュとは8秒差。
ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)は12秒差の7位でゴール。総合は57秒遅れの24位。
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・第3S(8月26日、ビゴ〜ミラドール・デ・ロベイラ/バラガルシア・デ・アロウサ=172.5km) |
41歳ホーナーV&総合首位浮上
(写真=第2ステージを制したホーナー=AP)
41歳のクリストファー・ホーナー(米国=ラジオシャック)が、グランツアー最年長ステージ優勝を果たし、総合首位に躍り出た。
残り5キロの3級山岳への上り口へ集団は一団で突入。残り3キロでまずフアンアントニオ・フレチャ(スペイン=バカンソレイユ・DCM)がアタックしたが、これをイバン・サンタロミータ(イタリア=BMCレーシング)が追走し、残り2・3キロ付近で抜き去って先頭に立った。しかし、残り1キロで集団からアタックをかけたホーナーが残り数百メートルで独走するサンタロミータを一気にとらえ、両手を大きく広げて歓喜のゴールを果たした。
ホーナーは「今日は足の調子がとても良かった。本当にハッピーだし、強さを感じる。自分は軽量だし、山岳は好きだ。たぶん勝てるだろう。(2010年の)バスク一周を勝っているのに、ブエルタが勝てないわけないだろう?」と陽気に話し、総合優勝への自信をみせた。
2位には3秒遅れでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)、3位にはホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)が入った。
総合はホーナーが首位に浮上し、3秒遅れの11位でゴールしたビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)は3秒遅れの2位に転落した。3位は11秒遅れでニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)。
24秒遅れの総合6位となったバルベルデは「風のために難しい1日になった。勝てなくて悔しいが、いい位置につけているし、調子はいい」と話した。
ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)は56秒遅れの18位。
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・第4S(8月27日、ラリン/ア・エストラーダ〜フィネステラ/ラ・エタパ・デル・フィン・デル・ムンド=186.4km) |
モレノV ニバリ総合首位奪還
(写真=第4ステージを制したモレノ=AP)
ダニエル・モレノ(スペイン=カチューシャ)が上りゴールを制しステージ優勝を飾った。残り500メートル付近で集団から飛び出し、残り1キロでアタックして単独で先行していたフアンアントニオ・フレチャ(スペイン=バカンソレイユ・DCM)を一気に抜いてそのまま逃げきった。タイム差なしの2位にはファビアン・カンチェラーラ(スイス=レディオシャック・レオパード)、3位にはマイケル・マシューズ(オーストラリア=オリカ・グリーンエッジ)が入った。
モレノは「素晴らしい勝利だった。チームメートにこのステージを勝ちたいと言っていたので、それが実現してうれしい」と喜んだ。
前日総合首位に立ったクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)は、8秒遅れの26位でゴール。このためトップと同タイムの16位でゴールしていたビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)がマイヨ・ロホを奪還したが、ニバリはそれに気付かずにチームバスに戻っており、慌てて表彰のために戻ってくる一幕もあった。
総合は3秒遅れの2位にホーナー、8秒遅れの3位にニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)は21秒遅れの5位、ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)は53秒遅れの16位。
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・第5S(8月28日、ソベル〜ラゴ・デ・サナブリア=168.4km) |
23歳マシューズが第5S制す
(写真=第5ステージを制したマシューズ=AP)
23歳マイケル・マシューズ(オーストラリア=オリカ・グリーンエッジ)がスプリント勝負を制して第5ステージ優勝を果たした。同タイムの2位にマクシミリアーノ・リチェセ(アルゼンチン=ランプレ・メリダ)、3位にジャンニ・メールスマン(ベルギー=オメガファルマ・クイックステップ)が入った。
今月行われたツアー・オブ・ユタでもステージ2勝を挙げているマシューズは、この勝利をチームメートのウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア)に捧げた。サルツバーガーは第4ステージで肋骨を骨折するなど負傷。ゴールはしたが第5ステージからリタイアした。マシューズは「一刻も早い回復を祈っている。この勝利は彼のためのものだ」と話した。
ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)はトップと同タイムの35位でゴールし、総合首位を守り、上位陣に変動はなかった。ニバリは「今日は風が強かったので少しナーバスになった。でもうまくいっているよ。コンディションもいい」と話した。
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・第6S(8月29日、グイフエロ〜カセレス=175km) |
大逃げマルティン、ゴール寸前つかまる
ミカエル・モルコフ(28、デンマーク=サクソ・ティンコフ)が、ゴール寸前で大逃げしていたトニ・マルティン(ドイツ=オメガファルマ・クイックステップ)をとらえ、第6ステージを制した。
スタート直後からソロでの逃げを決めたタイムトライアル王者のマルティンが170キロ以上を逃げ続け、残り1キロでも6秒差をつけてゴールを目指して必死にペダルを踏み込んだ。このまま逃げ切れるかと思われたが、ファビアン・カンチェラーラ(スイス=レディオシャック・レオパード)に引かれた集団にゴール寸前に飲み込まれ、集団の3番手から先頭に飛び出したモルコフがステージ優勝をさらった。2位にはマクシミリアーノ・リチェセ(アルゼンチン=ランプレ・メリダ)、3位にはカンチェラーラが入った。マルティンは7位だった。
モルコフは「カンチェラーラの後ろにつき、いい位置にいた。すごい速いスプリントだったが、ラインの直前でマルティンを抜くことができた」と話した。マルティンは「2〜4人付いてきて欲しかったが、誰もこなかった。でも戻る気はなく、トライしようと思った」と話した。
総合に大きな変動はなく、ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)が首位を守った。
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・第7S(8月30日、アルメンドラレホ〜マイレナ・デ・アリハラフェ=205.9km) |
シュティバル、世界王者下しV
(写真=第7ステージを制したシュティバル=AP)
ズデニェック・シュティバル(チェコ=オメガファルマ・クイックステップ)が、世界王者のフィリップ・ジルベール(ベルギー=BMCレーシング)との一騎打ちを制し、第7ステージ優勝を果たした。
残り10キロでアタックしたジルベールとそれを追走したシュティバルの2人での逃げが決まり、残り1キロでも集団とは12秒の差を付けた。2人は迫り来る集団を何度も振り返って確認し、残り数百メートルでシュティバルがアタック。ジルベールも最後は激しく追い上げたが、シュティバルが両手を上げてゴールした。2位にジルベール、3位には1秒差でロベルト・ワグナー(ドイツ=ベルキン)が入った。
総合に大きな変動はなく、ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)が首位を守った。
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・第8S(8月31日、ヘレス・デ・ラ・フロンテラ〜エステポナ/アルト・デ・ペニャス・ブランカス=166.6km) |
ケーニヒV、ロッシュが総合首位浮上
レオポルド・ケーニヒ(25、チェコ=ネットアップ・エンデューラ)が1級山岳の頂上ゴールを制した。
残り5キロですべの逃げを吸収した集団から、まずイゴール・アントン(スペイン=エウスカルテル・エウスカディ)がアタック。集団はクリストファー・ホーナー(42=米国=レディオシャック・レオパード)を先頭に追走し、残り2キロでケーニヒがアタック。単独で逃げるアントンを残り400メートルでとらえ、猛追してきたダニエル・モレノ(スペイン=カチューシャ)を振り切って歓喜のゴールを果たした。
グランツール初のステージ優勝を飾り、総合5位に浮上したケーニヒは「最後の上りの最初の区間では堅実に行こうと思っていた。もしそこで残れるなら、次の区間でアタックするつもりだった。総合の10位以内に入れ、チームにとって素晴らしい日になった」と喜んだ。
2位には1秒遅れでモレノ、3位には5秒遅れでニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)が入った。ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)は19秒遅れの8位、ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)は27秒遅れの16位だった。
総合は変動し、ロッシュが首位に浮上。17秒遅れの2位にクリストファー・ホーナー(42=米国=レディオシャック・レオパード)、3位にモレノとなった。ニバリは18秒遅れの4位に後退。ロドリゲスは1分3秒遅れの10位となった。
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・第9S(9月1日、アンテケラ〜バルデペニャス・デ・ハエン=163.7km) |
モレノが激坂制し総合首位浮上
ダニエル・モレノ(32、スペイン=カチューシャ)が最大27%の激坂を制して、第4ステージに続く2勝目を挙げ、総合首位に躍り出た。
残り1・7キロで逃げたエドバルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー=チームスカイ)が集団に吸収。最大27%の激坂に入る手前の残り500メートル付近でモレノがアタックした。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)が追走を開始したが、チームメートのホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)がすぐにチェックに入った。モレノは激坂をダンシングで力強く上り続け、2位バルベルデに4秒差をつけてゴールした。3位はロドリゲス。
モレノは「これ以上の事はない。前へ進もうとペダルを踏み、最後に勝利することができた。最後まで分からなかったけどね」と話した。
この結果、モレノが総合首位に浮上。8秒遅れの4位だったニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)が1秒遅れの総合2位、9秒遅れの7位だったビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)は19秒遅れの総合3位となった。バルベルデは22秒遅れの総合4位。ロドリゲスは56秒遅れの総合6位。
総合首位となったモレノだが、「チームリーダーは1人でいい。明日は自分とロドリゲスにとっていい日になるといい」と話し、エースのロドリゲスのグランツール初優勝をサポートするつもりに変わりないとした。
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・第10S(9月2日、トレデルカンポ〜グエハル・シエラ/アルト・デ・アザリャナス=186.8km) |
41歳ホーナーが総合首位奪回
41歳のクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)が第3ステージに続く2勝目を挙げ、総合首位を奪還した。
頂上ゴールへ向かう残り5キロ付近でイバン・バッソ(イタリア=リクイガス・キャノンデール)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)、ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)、ホーナーの4人に絞られた先頭グループから、残り4・6キロ付近でホーナーがアタック。ニバリが追走したが、ホーナーがそのまま逃げきった。48秒遅れの2位にニバリ、1分2秒遅れの3位にバルベルデが入った。ロドリゲスは1分2秒遅れの5位、前日まで総合首位のダニエル・モレノ(スペイン=カチューシャ)は2分22秒遅れの12位でゴールし、総合は2分4秒遅れの6位に後退した。
総合2位ニバリに43秒差をつけてマイヨ・ロホを獲得したホーナーは、「最後の上りでニバリがスピードアップを始めた時、アタックのチャンスだと思った。勝てる気がしたし、実際その通りになった」と話した。ニバリは「レースの最初から暑くて厳しい日になった。ホーナーに40秒ほどの差を付けられたが、つかまえることは難しかった。でもまだ大丈夫だ。先はあるし、明日は休息日だ」と話した。
53秒遅れの総合3位にはニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)、1分2秒遅れの総合4位にはバルベルデ、1分40秒遅れの総合5位にはロドリゲスがつけている。
3日は休息日となり、4日の第11ステージは個人タイムトライアルとなっている。
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・休息日(9月3日) |
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・第11S(9月4日、個人タイムトライアル タラソナ〜タラソナ=39km) |
カンチェラーラが個人TT制す ニバリみたび首位
(写真=個人タイムトライアルを制したカンチェラーラはシャンペンシャワー=AP)
ファビアン・カンチェラーラ(スイス=レディオシャック・レオパード)が、休息日明けの個人タイムトライアルで世界王者トニ・マルティン(ドイツ=オメガファルマ・クイックステップ)に37秒差をつけてステージ優勝を飾った。3位には1分24秒遅れでドメニコ・ポッツォビーボ(イタリア=AG2R・ラモンディアル)が入った。
カンチェラーラは、起伏のあるコースに「いつもとは全く違ったものだ」としながらも、「自分のペースに満足している。上りの力も見せられたし、これからもこのレベルで戦っていけることを示せた」と話した。
総合首位はトップから1分25秒遅れで4位に入ったビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)がみたび奪回した。同2位には33秒遅れでニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)、同3位には46秒遅れでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)。
2分54秒遅れの20位でゴールし、総合首位から46秒遅れの4位に後退したクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)は、「普通、タイムトライアルのコースはもっと平たんなもの。それは自分にとってタイムを失うことを意味しているけどね。リーダージャージーを取り戻すことを考えているかって? その答えはイエスだ」と、マイヨ・ロホ奪回へ自信を見せた。
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・第12S(9月5日、マエリャ〜タラゴナ=164.2km) |
世界王者ジルベールが今季初勝利
(写真=今季初勝利を挙げたジルベール=AP)
世界王者のフィリップ・ジルベール(ベルギー=BMCレーシング)がスプリント勝負を制し、今季初勝利を挙げた。2位にエドバルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー=チームスカイ)、3位にはマクシミリアーノ・リチェセ(アルゼンチン=ランプレ・メリダ)が入った。
やや上りのゴール前スプリントで、ボアッソンハーゲンがロングアタックで先行。激しく追い上げ、この番手についたジルベールがゴール直前で差して勝利をものにした。ジルベールは「この1年はとても厳しいものだった。初勝利を挙げることができてうれしい。今季、自分を信じてくれていたみんなに感謝したい。もちろん家族にもね」と話した。
フラットなステージだったため総合に大きな変動はなく、ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)が総合首位を守った。同2位には31秒遅れでニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)、同3位には46秒遅れでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)が続いている。
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・第13S(9月6日、バルス〜カステルデフェルス=169km) |
21歳バルギルがプロ初勝利
(写真=プロ初勝利を挙げバルギル=AP)
21歳のワレン・バルギル(フランス=アルゴス・シマノ)がプロ初勝利で第13ステージ優勝を果たした。逃げきった少人数のグループのゴール勝負を制した。
総合に変動はなくビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)が総合首位を守った。
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・第14S(9月7日、バガ〜アンドラ/コリャダ・デ・ラ・ガリナ=164km) |
ラットが雨のピレネー制す
雨と低気温という厳しい天候となったピレネー最初のステージをダニエーレ・ラット(イタリア=キャノンデール)が制した。
序盤から逃げグループに入ったラットは、最後の上りでフィリップ・ジルベール(ベルギー=BMCレーシング)が遅れた後は独走となり、2位に3分53秒の大差をつけて圧勝。「スプリンターになろうとしているのに山岳ステージを勝つなんておかしな感じだ。でも、悪天候は山に住んでいるので慣れっこさ。雨の下りが助けてくれた。うまくいったよ」と勝利を喜んだ。
2位にはビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)、3位には3分55秒遅れでクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)が入った。ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)は4分11秒遅れ4位。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)は4分43秒遅れの6位。
総合首位は二バリが守り、ホーナーが50秒遅れの2位に浮上。3位は1分43秒遅れでバルベルデ。
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・第15S(9月8日、アンドラ〜ペイラギュド(フランス)=232.5km) |
ジェニエが頂上ゴールを独走V
アレクサンドル・ジェニエ(25、フランス=FDJ)が独走で頂上ゴールの第15ステージを制した。3分3秒遅れの2位にミケーレ・スカルポーニ(イタリア=ランプレ・メリダ)、3分7秒遅れの3位にニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ)が入った。
ジェニエは「残り2キロまでは楽しめなかったよ。もしエネルギーがなくなれば、それは終わりを意味するからね。今日は自分の一番いい日だった」と話した。
総合首位のビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)は3分20秒遅れの4位でゴール。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)、クリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)も同タイムでゴールし、総合首位に変動はなかった。
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・第16S(9月9日、グラウス〜サリェント・デ・ガリェゴ/アラモン・フォルミガル=147.7km) |
バルギル2勝目 ニバリ遅れタイム失う
ワレン・バルギル(フランス=アルゴス・シマノ)が第13ステージに続き、今大会2勝目を挙げた。ゴール前スプリントでリゴベルト・ウラン(コロンビア=チームスカイ)との一騎打ちを制した。3位には3秒遅れでバルトシュ・フザルスキー(スペイン=ネットアップ・エンデューラ)が入った。
バルギルは残り8キロ付近からアタックをかけて独走を開始。残り1キロでウランに追いつかれたが、ゴール前スプリントでウランを下した。バルギルは「今日は自分にとってとてもいい日だった。足の調子が良くてアタックをかけた。ウランがきたのが見えた時、もし最後にスプリントできるならと思って少し待って後ろについたが、その通りの事ができた」と話した。
総合首位のビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)は2分9秒遅れの28位でゴール。マイヨ・ロホは守ったが、クリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)が1分47秒遅れの20位、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)が1分44秒遅れの18位でゴールしたため、総合2位ホーナーに28秒差と詰め寄られた。
ニバリは「向かい風で難しいステージだった。調子は良かったが、とても厳しい坂だった。特に最後の3キロはタフだった。でもまだ楽観的に見ているよ」と話した。
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・休息日(9月10日) |
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・第17S(9月11日、カラオラ〜ブルゴス=184.5km) |
モレマがステージV ニバリ堅首
バウケ・モレマ(26、オランダ=ベルキン)がスプリント勝負を制して第17ステージ優勝を果たした。同タイムの2位にエドバルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー=チームスカイ)、3位にはマクシミリアーノ・リチェセ(アルゼンチン=ランプレ・メリダ)が入った。
モレマは30人程度に減った先頭集団から残り1キロでアタック。集団は一瞬追走をためらい、互いがけん制。そのスキをついてモレマはリードを広げた。ゴール直前でボアッソンハーゲンを先頭に集団がスプリントを開始したが届かず、モレマが両手を広げてゴールした。モレマは「本当にうれしい。小集団のグループの先頭付近にいたのでチャンスだと思った。スピードが少し落ちた時、アタックをかけようと思った。後ろにネットアップの選手がいたのが見えたので彼を置き去りにして最後まで踏み続けた」と話した。
総合首位のビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)はトップと同タイムの14位でゴールし、マイヨ・ロホを守った。同2位は28秒遅れでクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)、同3位は1分14秒遅れでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)、同4位は2分29秒遅れでホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)と変動はなかった。
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・第18S(9月12日、ブルゴズ〜ペーニャ・カバルガ=186km) |
ニバリ遅れた ホーナーと3秒差
総合首位ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)が遅れ、同2位のクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)との差が3秒と大接近した。
総合上位陣がいるメーン集団にいたホーナーは、ゴール前200メートルの急坂でアタック。ニバリは追走できず、ホーナーがトップから1分53秒遅れの6位でゴールした。ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)は2分13秒遅れの8位、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)もロドリゲスと同タイムの9位。ニバリはホーナーから25秒遅れの10位でフィニッシュした。総合でニバリとバルベルデは1分9秒差、ロドリゲスとは2分24秒と縮まった。
ニバリは「ここからマドリードまでまだ色々な事が起こるだろう。ホーナーはすごいペースだった。あの年(41歳)で信じられないよ。今日、ホーナーが見せたような強さで攻撃されると耐えることは難しいね。でも全力で戦っていきたい」と残り3ステージへの意気込みを語った。
ステージは最後の坂でアタックしたバシリ・キリエンカ(ベラルーシ=モビスター)が、独走で優勝した。2位は28秒遅れでクリスアンケル・ソレンセン(デンマーク=サクソ・ティンコフ)、3位は1分18秒遅れでアダム・ハンセン(オーストラリア=ロット・ベリソル)。
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・第19S(9月13日、サン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラ〜オビエド/アルト・デル・ナランコ=181km) |
ホーナー、みたび総合首位奪回
(写真=総合首位を奪回したホーナー=AP)
41歳のクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)が、第10ステージ以来3度目の総合首位に返り咲いた。
前日の第18ステージで総合首位のビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)に3秒差まで迫っていたホーナーは、この日の上りゴールでニバリに6秒差を付けてゴール。逆に3秒差をつけてマイヨ・ロホを獲得した。ホーナーは「ファンタスティック! 急坂は好きだよ。自分に合っている。明日も足の調子が良ければ、マドリードまでジャージーを守れるだろう」と話した。
ステージ優勝はホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)で、11秒遅れの2位にディエゴ・ウリッシ(イタリア=ランプレ・メリダ)、3位にダニエル・モレノ(スペイン=カチューシャ)が入った。ホーナーは14秒遅れの5位、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)も14秒遅れの6位で、ニバリは20秒遅れの9位だった。
総合はホーナーが首位に立ち、3秒遅れの2位にニバリ、1分6秒遅れの3位バルベルデ、1分57秒遅れの4位にロドリゲスと続き、明日「魔の山アングリル」で最後の決戦が繰り広げられる。
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・第20S(9月14日、アビレス〜アルト・デ・ラングリル=144.1km) |
ホーナー、魔の山死闘制しV確定
41歳のクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)が、ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)との魔の山アングリルでのアタック合戦を制し、初のグランツール総合優勝を確定させた。ステージはケニー・エリッソンド(フランス=FDJ)が逃げ切りVを決めた。
前日の第19ステージでニバリを逆転してマイヨ・ロホをみたび獲得したホーナーが、平均こう配10・2%、最大こう配23・5%の霧の立ちこめる魔の山アングリルでニバリと死闘を繰り広げた。アングリルに入り、メーン集団はダニエル・モレノ(スペイン=カチューシャ)の強烈な引きで、残り7キロで総合上位6位までを含む11人の精鋭グループとなった。そして残り6・3キロでニバリが最初のアタックをかけると、一時はホーナーらに9秒の差をつけた。しかし、残り5・3キロでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)はいったん遅れたが、ホーナーとホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)は残り4・9キロで追いつき、さらにバルベルデも残り3・7キロで再び追いつき総合争いは4人の戦いとなった。
ニバリはさらにこう配20%超えのきつい地点で再三アタックをかけてロドリゲスとバルベルデを振り落としたが、ホーナーは粘り強く追走し、最後は1位と2位の一騎打ちとなった。そして、残り2キロを切ったところでホーナーが満を持してアタック。これにニバリはついて行けず、ホーナーがダンシングであっという間に突き放し、トップから26秒の2位でゴール。ニバリはトップから54秒遅れ、ホーナーからは28秒遅れの4位でゴールし、ホーナーは残り1ステージで総合首位を盤石なものとした。バルベルデ、ロドリゲスも54秒遅れのグループでゴールした。
ホーナーは「誰もが2度と見るとこができない伝説が生まれる瞬間を、自宅のソファーで見ることになるだろう。自分の年齢でグランツアーを勝つなんて、2度とあり得ないだろう」と話した。ニバリは「出来ることは全てやった。でも、ホーナーを振り落とすことはできなかった。総合2位だが、うれしくないね」と話した。
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・第21S(9月15日、レガネス/パルケスル〜マドリード=99.1km) |
41歳ホーナーがグランツール最年長V
(写真=41歳で総合優勝を果たしたホーナー=AP)
沖縄生まれの41歳のクリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード)がグランツール最年長総合優勝を果たし、同時に米国人のブエルタ・ア・エスパーニャ初制覇も達成した。
これまでは1922年のツール・ド・フランスを36歳で制したフィルマン・ランボー(ベルギー)が最年長だった。
ホーナーは第3ステージの山岳を制してマイヨ・ロホを獲得。続く第4ステージでビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)にすぐさま奪回されたが、第10ステージの頂上ゴールを制して再び総合首位に浮上。続く第11ステージの個人タイムトライアルでまたしてもニバリに首位を奪われ46秒差を付けられたが、第18ステージで3秒差まで詰め、第19ステージでついに逆転。第20ステージの魔の山アングリルでのニバリとの死闘も制して差を広げ、最終ステージもトップから3秒遅れのニバリら総合上位陣と同じ集団の47位でゴールして快挙を成し遂げた。
ホーナーは「グランツアーはその選手がどれほどいい選手だったがを示すゴールだ。(この勝利を)一生、忘れないよ。このコースは好きだね。最初に見たとき、完ぺきに自分向きだと思った。昨日はニバリが必死にアタックしてきた。余裕なんてなかった。この勝利はこれまでで一番厳しいものだったし、レースも激しいものだった」と話した。
最終ステージはマイケル・マシューズ(オーストラリア=オリカ・グリーンエッジ)がスプリント勝負を制して、第5ステージに続き今大会2勝目を挙げた。2位はタイラー・ファラー(米国=ガーミン・シャープ)、3位はニキアス・アルント(ドイツ=アルゴス・シマノ)。
総合優勝はホーナーで、2位にニバリ、3位にアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)。
ポイント賞はバルベルデ、山岳賞はニコラ・エデ(フランス=コフィディス)、コンビネーション賞はホーナー。
(写真=シャンペンシャワーのホーナー=AP)
(写真=左から2位ニバリ、1位ホーナー、3位バルベルデ=AP)
<総合最終順位>
(1)クリストファー・ホーナー(米国=レディオシャック・レオパード) 84時間36分4秒
(2)ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ) +37秒
(3)アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター) +1分36秒
(4)ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ) +3分22秒
(5)ニコラ・ロッシュ(アイルランド=サクソ・ティンコフ) +7分11秒
(6)ドメニコ・ポッツォビーボ(イタリア=AG2R・ラモンディアル) +8分
(7)ティボー・ピノ(フランス=FDJ) +8分41秒
(8)サムエル・サンチェス(スペイン=エウスカルテル・エウスカディ) +9分51秒
(9)レオポルド・ケーニヒ(チェコ=ネットアップ・エンデューラ) +10分11秒
(10)ダニエル・モレノ(スペイン=カチューシャ) +13分11秒
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