男子ゴルフの石川遼(24)が2日、交際中の女性と結婚したことを発表した。

 プロ転向する前からの幼なじみの同級生で、08年から交際をスタート。12年には婚約していた。


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 石川遼のインタビューのため、米カリフォルニア州の自宅を訪れた時のことだ。熱っぽく語るリビングの石川の向こう側から、食欲をそそるスパイスの香りが流れてきた。「そうそう、彼女がつくってくれたから。ぜひ食べてよ」。

 米国出張2カ月目の身には泣くほどありがたい、純日本風のカレーライスが、彼女の手で運ばれてきた。日本が恋しい時期であることを配慮してくれたのか-。みっともないほどがっつく記者を、石川が「うまいでしょ」と目を細めて見ていたのを思い出す。

 性格は控えめだが、振る舞いは立派な「石川遼の奥さま」だった。そして、彼女がそう振る舞うことを、石川は何より喜んでいた。

 石川は彼女をきちんとした「プロゴルファーのパートナー」にするべく、早くから心を砕いていた。米ツアーの会場に初めて彼女を招いた、12年3月のアーノルド・パーマー招待では、報道陣に丁寧にあいさつをさせた。

 アジア選抜と欧州選抜の対抗戦、ロイヤル・トロフィーの大会期間中には青木功、尾崎直道ら“レジェンド”夫人たちの観光やショッピングに同行させたりもした。

 選手のパートナー同士で仲良くなれればよいと、彼女と比較的年が近い小林正則の妻、麻理子さんとの交流の機会をつくったりもした。「ネンジさん(小林)の奥さんとうちの彼女、今日デートらしいんですよ」と笑顔で話していた。

 最近は、彼女とチェーンの居酒屋でデートすることもあったという。最初は一般人の彼女を気遣い、顔バレして人に取り囲まれないようにと、帽子やメガネをして出掛けていた。

 しかしいつしか、素のままで行く方が楽しくなった。「意外とバレないもんですよ」といたずらっぽく笑う。文字通り、素顔の自分をさらけ出せる、数少ない存在。石川が将来を誓い合ったのは、掛け値なしに最良のパートナーだ。【塩畑大輔】