<男子ゴルフ:三井住友VISA太平洋マスターズ>◇最終日◇11日◇静岡・太平洋クラブ御殿場C(7246ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 石川遼(21=パナソニック)が復活Vに号泣した。松村道央(29=吉野電化工業)に1打差と迫られ、迎えた最終18番パー5。5番ウッドで池越えギリギリに2オンさせ、イーグル逃しのバーディーフィニッシュ。残り10センチのウイニングパットを決めたまでは平静だったが、キャディー、マネジャーら“チーム遼”の面々に出迎えられると涙をこらえきれなかった。

 「優勝パットを打つ前にちょっとやばくなった。でも、その後大丈夫になったんですが…。みんなの顔を見たら、もうダメでした」

 勝てなかった2年間。優勝インタビューでは「僕は『もがいてる』とか『悩んでる』とかが、大嫌い。そういう風に絶対、見られたくない。基本的に不器用だけど陰で頑張って、みんなの前でやってみせて『器用だね』と思われたいんです」という美学を語り、自身の苦労にはほとんど触れなかった。しかし、自分をサポートしてくれてきた人々の話になると、会見場でも涙をポロポロ。「…本当に申し訳なかった。いろいろあったんで。僕はもういい。みんなにはパーッと喜んでもらって、一気に気を抜いてもらいたいです」と声を詰まらせながら、話していた。