第29回アメリカンフットボール日本社会人選手権「ジャパンエックスボウル(JXB)」は12月14日に東京ドームで行われる。

 社会人日本一を目指して連覇を狙う富士通フロンティアーズと、5年ぶり14度目のXボウル出場を果たしたパナソニックインパルスが対戦する。両チームは8年前に一度対戦し、パナソニック(当時は松下電工)が33―13で勝利している。ともに知将の呼び声高い富士通藤田智ヘッドコーチ(HC=48)、パナソニック荒木延祥監督(40)の下、頭脳戦も予想される。昨年悲願の初優勝を飾った富士通の連覇か、パナソニックの7年ぶり7度目の制覇か。優勝チームが来年1月3日に東京ドームで行われる「ライスボウル」で学生王者と日本一の座を争う。

 富士通は攻守にタレントがそろう。QBはコービー・キャメロンを柱に、1月のライスボウル初制覇に貢献した平本恵也、出原章洋が控える。WRはエース中村輝晃クラークに加え、宜本潤平、強盛、秋山武史ら盤石の布陣。RBは準決勝で負傷したジーノ・ゴードンが気がかりだが、神山幸祐、金雄一、後藤啓がその穴を埋める。OLには7月の世界選手権ベスト11のT勝山晃がいる。C岩井悠樹らと作る壁は強力だ。ディフェンス陣ではLB竹内修平、DBアルリワン・アディヤミ、樋田祥一が要所でQBサックをさく裂させる。まさに攻撃的守備と言える。

 対するパナソニックは8年前の対戦でMVPに輝いたQB高田鉄男が健在だ。34歳の今季も991ヤード、10TDで西地区のリーディングパサーを獲得した。注目は今季新加入のRBベンジャミン・デュプリー。セカンドステージまでに98回走り、752ヤード、12TDを稼いだ。もちろん地区首位だが、準決勝は負傷欠場。JXBでの復帰が待たれる。

 ともに全勝で迎える決戦の舞台。得点力は両チーム折り紙付きなだけに、攻守のラインの働きぶりが勝負のカギを握りそうだ。ポイントはDLで、準決勝でQBサックを決めた富士通の高橋顕信、木村篤允ら、パナソニックの武田航、山口洋貴らの動きに注目したい。