<高校総体:サッカー・静岡学園4-0海星>◇30日◇秋田・仁賀保グリーンフィールド◇3回戦

 2年連続2回目出場の静岡学園(静岡)が海星(長崎)を下し、02年清水商以来、9年ぶりに県勢8強入りを決めた。前半8分、FW深瀬健也(2年)の先制点を皮切りに4得点。今大会3連戦目の疲れを全く感じさせない完ぺきな内容で快勝した。来年のシード権を懸けた準々決勝は、明日8月1日に大阪桐蔭(大阪)と対戦する。

 3回戦敗退から1年。静学イレブンが進化を証明した。細かいパスから好機をうかがい、ドリブルでがんがん仕掛けた。連戦の疲れなどみじんも感じさせなかった。まずは前半8分、MF渡辺隼(2年)のスルーパスに反応したFW深瀬が右足を振り抜き先制点。初戦で公式戦初得点をマークした勢いを見せつけた。同30分には、渡辺が左サイド角度のないところから絶妙なキックでゴールネットを揺らした。

 後半に入ると必死にボールを追い続けた海星の足が完全に止まった。畳み掛けるように同14分に深瀬が2点目を挙げ、同26分にはDF木本恭生(3年)がFKを直接決めた。試合開始から圧倒的にボールを支配し、決定機もつくらせずにシュートはわずか3本しか打たせなかった。渡辺は「全員がゴールに向かった結果。1日、1日成長している」。川口修監督(38)も「これが理想のサッカー」と完璧な内容に何度もうなずいた。

 連戦の疲労から敗退した昨年の経験を生かした。大会直前の山形合宿、秋田入り後も2部練習を行い、暑さに順応。静岡出発前には、食品会社の講習を受けて食事管理を徹底。連戦に向け体を作った。宿舎でもストレッチやマッサージ、交代浴を繰り返し「難敵」への対策を怠らなかった。

 県勢9年ぶりの8強にも満足感はない。川口監督は「去年はシード権を逃した。静岡県の代表として最低限シード権は取る」とすぐに大阪桐蔭との準々決勝を見据えた。静学2度目の夏は、そう簡単に終わりそうにない。【前田和哉】