<高校総体:みちのく発>

 夢の姉弟優勝は果たせなかった。女子シングルス青森山田(青森)・丹羽美里(3年)は、男子で優勝した孝希の姉。準決勝で希望が丘(福岡)・温馨(2年)に1-4で敗れ2年連続3位に終わった。「きょうだい優勝したかったので悔しいです」と、汗をぬぐった。

 北海道苫小牧市で生まれ、卓球をやっていた父孝司さんの影響で弟と一緒に始めた。「弟もいたし、強くなりたかったから」と、弟が中学から通う青森山田へ進学した。同校は男女で練習場が別のため、普段はあまり顔を合わさない。それでも「孝希が勝ってくれると自分もうれしいので、常に応援しています」と話す。

 自分は決勝進出ならなかったが、弟の決勝戦前には「頑張って」と手を握って激励した。後輩が出場する女子決勝と、弟の決勝戦の両方を見ながら応援。弟の優勝が決まると駆け寄って「おめでとう、よくやった」とねぎらった。自分も参列した表彰式では、弟に優勝カップと金メダルが手渡されると、後ろから拍手を送ってほほえんだ。

 「姉弟けんかはしません。仲はいいですよ」と言った顔は、勝負の時の表情とは違って、弟を見守る優しい姉の顔に戻っていた。【松屋圭祐】