<高校総体:テニス>◇16日◇青森・新青森県総合運動公園テニスコート

 テニス男子で四日市工(三重)・後藤翔太郎(2年)がシングルス、中島佑介(3年)と組んだダブルスで初優勝を果たした。12日には団体も制しており、08年の湘南工大付(神奈川)・守屋宏紀以来3年ぶり18回目の3冠となった。

 こん身のボレーで3冠を決めた後藤は初めて白い歯を見せた。両手でガッツポーズし、パートナーの中島と力強く握手した。シングルス、続くダブルスの両決勝とも雨が断続的に降る中で行われた。特にダブルス決勝は第1セット開始直後に大雨となり、1時間半も中断したが、集中力を最後まで切らさなかった。

 73~75年の福井烈(柳川商)84年の松岡修造(柳川)94年鈴木貴男(堀越)ら日本を代表する選手が達成した3冠に並んだ。「まだ実感がありません。三重に帰ってから実感するかも」と笑った。

 サウスポーからの強烈なフォアには定評があったが、サーブが課題だった。「置きにいっていたサーブを強化」し、高校生トップレベルの最速180キロ前後までアップ。多彩なスピンもかけられるようになり、3冠制覇の原動力となった。12日の団体での優勝も自信につながった。7日間で18試合を戦ったが「20分の振り回しなど体力をつける練習をしてきた」成果で最後まで足は止まらなかった。

 3冠ではずみをつけ、今月29日に開幕する全米オープンジュニア予選へ挑戦する。初の海外参戦になるが「左利きを生かしてサーブを打っていければ。本戦に上がれるように頑張ります。そして来年のインターハイでも3冠を目指します」と力強く締めくくった。【松屋圭祐】