柔道の84年ロサンゼルス、88年ソウル五輪の95キロ超級で連覇を達成し、1月20日に54歳で亡くなった斉藤仁氏の「お別れの会」が15日、東京都内のホテルで開かれ、約1300人が参列した。

 生前の写真が飾られた祭壇には、座右の銘だった「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)仁に近し」より「剛毅木訥」の文字。「意思がしっかりとしていて飾り気がないのは道徳の理想である『仁』に近い」という言葉の意味を体現したような柔道人生がしのばれた。

 現役時代にライバルだった全日本柔道連盟の山下泰裕副会長は、13日の理事会で斉藤氏が務めていた強化委員長の後任にも決まった。「選手も全員あなたの魂とともに戦います。天国で見守っていて下さい。最高のライバルに出会えて幸せでした」と感謝を込めながら、感極まった表情で弔辞を述べた。