元世界女王の山本美憂(40)の長男アーセン(18=GSA)は3位に終わった。前日の1回戦に続き順当に勝ち上がったが、優勝した沢田夢有人(日体大2年)に、準決勝でテクニカルフォール負けを喫した。

 アーセンがなすすべなく回され続けた。準決勝の第1ピリオド2分20分すぎ。消極的姿勢をとられ、バックを取られる不利なグラウンドポジションとなり、沢田のローリングに耐えられない。右に左と4連続で体を回され、一気に8失点。勝負が決した。ぼうぜんとマットを下り、母に「ごめん」と涙ながらに謝った。

 これで金メダル奪取を目標にした16年リオデジャネイロ五輪が遠のいた。枠取りがかかる9月の世界選手権(米国)出場には、6月の全日本選抜を勝ち抜く必要があるが、西口グレコ強化委員長は「推薦出場は厳しい」と言及。本人は「次は負けません」と顔を上げたが、窮地に陥った。