ノルディックスキー・ジャンプ女子のエース、高梨沙羅(18=クラレ)が、今季に向け本紙のインタビューに答えた。
14年ソチ五輪が終わり、18年平昌五輪への新たなスタートとなった昨季を振り返ったほか、今季にかける思い、私生活やキャンパスライフなど幅広く今の思いを明かした。ソチ五輪個人4位だった「悔しさ」を力に変え、3年後のメダルにつなげていく。
-2日から秋田で約10日間、今季初の個人合宿を行いました
高梨 1日8本くらい飛んでいたが、アプローチ(助走路)の安定性を高めることに集中してやっていました。ここから上げていければ。
-昨季はW杯個人総合3連覇を逃しました
高梨 今までで一番苦しんだシーズンでした。夏場はうまくいきましたが、冬に入る直前の練習で飛ぶ本数が少なかったことが後々まで響いたと思います。
-道具を替えた影響は
高梨 一部分では言えますが、やっぱり大きくくくると準備不足。強い選手はシーズン中でも、道具を替えたりするが対応できる。言い訳にはならないです。
-今季は五輪などの大きな大会はないが
高梨 今までの反省をどう攻略できるか試せるシーズン。しっかりとしたベースを作ることをテーマにやっていきたいです。
-4月に自動車運転免許を取得。行きたい場所は
高梨 山ばかり見ているので海に行きたいです。江の島に行ってみたい。
-ジャンプ以外でやってみたいことは
高梨 スノーボード。意外と言われるけど1回もやったことがないんです。見るのも大好きですよ。
-大学2年生になって1人暮らしも2年目
高梨 さすがに慣れました。ただ、部屋はいまだに殺風景。必要最低限のものしかないし、女の子らしくないですね。
-マイブームは
高梨 散歩です。最近はバスも使っていろんな所にいって新しい発見をしています。この前は自由が丘に行きました。朝早過ぎてお店はほとんどやっていなかったんですけど、おしゃれで楽しかったです。
-学校生活は
高梨 スポーツをやっているという共通点があるからか、初めての人でも普通に話せます。いろんな考えの人がいて日々、勉強になっています。
-サークルは
高梨 大学はクラスで一緒にいる仲間がいて楽しい。なのでサークルはいいかな(笑い)。
-札幌市が26年冬季五輪の候補地に名乗りを上げた
高梨 それまでは飛んでいたいし、出場もしたい。
-現役を終えることを考えることは
高梨 自分の理想に体がついてくるまでは飛びたい。飛ぶこと自体はおばあちゃんになってもできるので。
-今季の目標は
高梨 (W杯の)総合優勝は狙いたいです。でも、狙うには精度の高いジャンプが求められます。「焦らず、慌てず、諦めず」と、栄養士さんに教わったのでそれを実践していきたい。
-14年ソチ五輪(4位)の悔しさは
高梨 ソチの悔しさは絶対になくならないし、なくしてはいけないこと。五輪では今まで応援してくださった方に感謝の思いを伝えられればと思っていたのですが、結果を出せず、もう日本に帰れないと思っていました。昨季も結果を残せなくて…。いつになったら今まで支えてくれた人に結果でお礼が伝えられるんだろうな、と思うと悔しくて…。悔しさが今の原動力です。感謝をしっかり形にできるように、さらに頑張っていきたいと思います。【聞き手 松末守司】
◆高梨の14~15年シーズン成績 W杯全13戦に出場し6勝を挙げたが、個人総合ではダニエラ・イラシュコ(オーストリア)に34ポイント届かず2位止まりで、3連覇を逃した。札幌2連戦で連勝、最終戦まで4連勝を飾り通算30勝をマークした。2月の世界選手権では個人ノーマルヒル4位で、混合団体では銅メダル獲得に貢献した。