全日本柔道連盟(全柔連)は10日、東京都文京区の講道館で理事会を開き、役員改選に伴う次期理事候補28人を承認した。候補者名は公表していないが、複数の関係者によると、2000年シドニー、04年アテネ五輪女子48キロ級金メダリストで参院議員の谷亮子理事(39)は外れた。

 関係者によると、谷理事は公務で多忙のため、理事会への出席が少なかったことが影響したとみられる。次期理事は29日の評議員会で正式決定する。

 現役時代に「ヤワラちゃん」の愛称で高い人気を誇った谷理事は、暴力指導問題や助成金不正受給など不祥事が続発した全柔連の改革の一環として、13年6月に初の女性理事に起用された。

 理事会では14年度の決算案も協議し、収支は約1600万円の赤字の見通しとなった。スポンサー収入の不足や柔道事故防止活動など新施策による支出増が原因。近石康宏専務理事は「15年度は特別協賛金の増収などが見込まれ、まず赤字にはならない」と述べた。不祥事が影響した13年度は約1億2500万円の赤字だった。

 アスリート委員会の委員長には、五輪銀メダリストの田辺陽子氏が再任された。