霊長類最強の女、吉田沙保里(32=ALSOK)が「男性克服」で世界V16を目指す。レスリング世界選手権(9月7日~・米ラスベガス)に出場する吉田ら女子日本代表が14日、東京・北区の味の素ナショナルトレセンで練習を公開。

 栄和人強化本部長(54)が吉田の弱点が「男子」であることを明かした。

 来年のリオデジャネイロ大会で五輪4連覇を目指す吉田だけに、女子には相手がいない。栄氏は「誰とやってもケチョンケチョンにする。男子とスパーリングすればいいけど、あまりやりたがらない」と話した。親友の女子サッカー澤穂希(36)の結婚で「私も続きたい」と話した吉田だが、栄氏は「早く結婚したいと言っている割に、男は触れないみたいだ」と言った。

 吉田は栄氏の話を否定して「男、めっちゃ好き。触れますよ」とアピールしたが、男子とのスパーリングは苦手な様子。「嫌ではないけれど、何か…。やられたくないから」と本音をポロリ。「澤さんみたいにタックルできない」と話した後で「これはダメ。澤さんに怒られる」と冗談交じりに言ったが、実際に練習でもコーチら男子とのスパーリングは少ない。

 同じ五輪3連覇中の伊調馨(31=ALSOK)は練習相手が男子中心。「警視庁の田南部コーチ(04年アテネ五輪銅)とかに、遊んでもらってます。レベルが高くて、全然かなわない」と話したが、強さの源が男子とのスパーリングにあることは間違いない。

 それぞれの練習スタイルで頂点に立ち続けている2人。栄氏の「もっと男子とやればいいのに」という言葉に「たまにやってるし、やらない訳じゃない」と吉田は話したが、積極的でないのは確かだ。圧倒的な力で世界の頂点に君臨する女王は「男性克服」で、さらに強さを増しそうだ。