ラグビー日本代表FB五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)が24日、来年2月に開幕する世界最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」に初挑戦する可能性が高まった。オーストラリアのブリスベンを拠点とするレッズが獲得の意思を持っていると、23日付の現地紙デーリーテレグラフ(電子版)など複数メディアが報じた。五郎丸はこの日、「コンタクトは何もない」と話すにとどめたが、関係者によると新たな挑戦に強い関心を示しているという。

 五郎丸が世界に認められた。オーストラリアから飛び込んできた獲得の情報。レッズは元オーストラリア代表のオコナーが退団するなど、バックスの補強が急務となっている。プロ野球日本シリーズの始球式に登板した後、五郎丸は「まだコンタクトをとってきていないので、何とも言えないです」と話すにとどめた。ただ関係者によると、入団に前向きな意向を持っており、ヤマハ発動機と話し合いを進めるとみられる。

 W杯ではキッカーも務め、快進撃を支えた。南アフリカ戦では24得点を挙げるなど、1次リーグ合計58得点は全体2位で、W杯の日本代表歴代最多得点も更新。「国内でプレーしていても結果を残せることは証明できた」と自信を得た。海外のチームでプレーした経験がなく、新たな挑戦への意欲は強いという。

 この日、ヤマハ発動機のニュージーランド遠征から帰国した清宮監督は「海外でプレーすることもスタンダード。チーム、国の強さのバロメーターにもなってきている。チャンスがあるなら行くべき」と歓迎した。SRは2月末に開幕し、7月閉幕。1月末の国内シーズン終了後に参戦となるため、ヤマハ発動機への影響はない。レッズは11年に初優勝。13位だった今年は、日本代表NO8ツイ(サントリー)がデビューし、来年のプレーも決まっている。

 五郎丸は明日26日にもチームに合流し、27日から本格始動する予定。SRには代表強化を目的とした日本チーム「サンウルブズ」の参戦も決定しており、16年5月21日に「五郎丸VSサンウルブズ」が実現するかもしれない。【鎌田直秀】

 ◆スーパーラグビー 南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアの3カ国を代表する15のクラブチームが南半球最強の座を争ってきた。86年から始まった「サウスパシフィック・チャンピオンシップ」が起源。92年からトーナメント制の「スーパー6」に移行し、参加チームの増加とともにスーパー10、スーパー12、スーパー14となり、11年シーズンから15チームとなった。16年からは日本、南アフリカ、アルゼンチンから1チームずつが新たに参加し、18チームになる。日本代表選手を軸に構成する方針のサンウルブズは来年2月27日に東京・秩父宮ラグビー場で初戦を迎える。